自民党・小林史明青年局長に聞く 規制改革で能力を開放できる社会に
各党の青年局長・若者担当議員リレーインタビュー第一弾は、自由民主党の小林史明衆院議員。NTTドコモ社員から政界入りし、最新技術にも明るい。
各党の青年局長・若者担当議員に聞くインタビューシリーズ、第1弾は、自由民主党で青年局長を務める小林史明衆院議員だ。
小林氏は、広島県福山市出身で、1983年生まれの36歳。2012年にNTTドコモ社員から政界進出し、衆院広島7区で初当選。以降、3期連続で当選を果たす。2017年には総務大臣政務官に就任、2019年から自民党青年局長を務めている。
■自民党青年局って?
自民党青年局長は、竹下登、海部俊樹、安倍晋三、麻生太郎…など多くの総理経験者を輩出してきた、いわば「登竜門」として知られる。小林議員は、その50代目となる。
党本部の青年局は国会議員のみだが、地方47都道府県にある青年局組織には、地方議員や経営者、サラリーマン、農業者、あらゆる方が入ることが可能。1,144名の地方議員を始め、全国120万人の自民党員の中で、22万人の45歳以下が所属する。
小林: 自民党青年局のミッションは、大きく分けて2つあります。一つは若い人たちの政治参画を促進する。
そのために政治活動を「見える化」しようということで、拉致や憲法のテーマで全国一斉街頭活動を実施し、関心を持ち志ある方には青年局の仲間に入っていただくという、裾野を広げる活動です。
今後はもっと地域課題解決のために青年局の議員や、参画している民間人が積極的に取り組む方針です。
2つめのミッションは、台湾との関係強化です。日中国交正常化のタイミングで、台湾と日本は断交せざるを得ませんでした。とはいえ最も親日で、価値観も共有できている。
そこで、先輩たちの知恵で、自民党の青年局が台湾との関係を担当することになったのです。我々青年局が訪問する際は、台湾の総統とお会いします。
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■「規制改革」に注力
政治家には、それぞれが歩んできたキャリアなどによって、専門分野やテーマとして掲げる政策がある。小林議員についても聞いてみた。
小林:規制改革に注力しています。デジタル化が進展する中で、日本のルールが残念ながら、戦後に作られたままで、技術の進展に対応できていない。
私自身も、民間企業から政治の世界に転出したのは、「ルールを守る側から、ルールを決める側にまわりたい」と考えたからです。
とくに取り組んでいるのは、デジタル技術を活用しやすい規制にすること。日本中のルールをデジタルの切り口で見直し始めています。
たとえば、日本中にある高圧ガスプラントは、年に1回操業を止めて点検をしないと翌年動かすことができません。しかし、これは昔のルールで、今の技術であれば、IoTセンサーで毎秒監視することができる。
1日だけ止めてみるよりも毎秒見たほうが安全性が高いですし、年に1回操業を止めなくてもよくなれば、生産性が大きく上がります。チェックするIoTシステムも新しいビジネスになるでしょう。
小林氏は、さらに身近な事例も挙げて説明してくれた。
小林:他の例では、コンビニエンスストアで公共料金の支払いをする際、3枚くらいの書類に切り取り線で分けますが、コンビニは全部紙で保管しないといけない。
全国何万店舗が紙で保管して分類して本部に送って、本部も紙で保管して…とすごく生産性が低い。
こういうルールが非常に多く残っているわけです。世界各国で、「生産性を上げていこう」「社会を効率的に回そう」という競争が進んでいる中で、日本のルールも見直す必要がある。
変えていけば、日本は暮らしやすくなるし、ビジネスもしやすくなります。成長の伸びしろがまだまだある。
そのためには、大きな方向性だけではなく、具体的な解決策を提示していく必要があります。小さいかもしれないけれど、突破すると生活やビジネスが楽になっていく規制改革をやっていきたいと考えています。