「マスク買い占め」に花粉症患者はなぜ怒るのか? 当事者が解説
コロナウイルスの影響で全国的に品薄になっている使い捨てマスク。問題視されている「買い占め」がなぜ問題なのか、花粉症患者目線で綴る。
2020/02/02 08:20
当サイトでも何度も報じているように、新型コロナウイルスの影響で使い捨てマスクの品薄が広がっている。
フリマサイトでの高額での転売や、買い占め行為などがネット上で多く指摘されているが、花粉症シーズンが近づくなか、そのような行動に違和感を覚えたり、腹を立てている花粉症患者も少なくないだろう。
では、なぜマスク買い占めが困るのか。日頃から「花粉症患者とそうでない人の間には、マリアナ海溝より深い溝がある」と思っている、花粉症当事者でアレルギー体質の記者が綴りたい。
■なぜ「マスク買い占め」が困るのか
記者は生まれつきアレルギー体質で、ダニ・スギ・ヒノキ・ブタクサ・ヨモギ等の花粉から、イヌネコ等の動物、エビカニ等の食物、ハウスダスト、ゴキブリ、ガに至るまで、多くのものにアレルギーを有している。
これはアレルギー体質の人にしか通じない感覚かもしれないが、『ザ! 世界仰天ニュース』(日本テレビ系)のアレルギー特集を観ると毎回他人事には思えない。
VTRが進むうちに自分までむず痒くなってきたり、アレルギー検査の結果がそこまででもなかったスタジオゲストに対してなぜか勝ち誇った気持ちになってしまう……そんな程度にはアレルギー体質なのだ。
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■花粉症患者は数ヶ月マスクも
と、そんなアレルギー体質エピソードはさておき、上記は2017年に行なったアレルギー検査の結果だ。ここで注目してほしいのは、飛散時期の違う複数の花粉にアレルギーを持っていること。
テレビなどで報じられるのはスギ(2月~3月頃)か、あってもヒノキ(3月下旬~4月頃)くらいまでだが、イネ科花粉症であるカモガヤ(5月頃)等、通年で見れば4ヶ月程度、屋外に出るだけでアレルギーの原因物質にさらされているのだ。(時期は年によって変動)
ゆえにマスクは日常的に使用せざるを得ず、自宅には常に使い捨てマスク数種類のストックがある。また、少なくないアレルギー体質の人たちと同様、アトピー性皮膚炎とも長いお付き合いをしており、医師との相談のもと、花粉症シーズンに限らずアレグラを日々欠かさず服用している。