ふるさと納税流出を訴えるポスターが話題に 川崎市は「非常に厳しい状況」
ふるさと納税の影響で深刻な税収減に陥った川崎市の起死回生の策とは…
返戻品が人気で拡がっているふるさと納税。しかしその影響で、多くの人口を抱える都市部の自治体は、苦境に立たされている。都内では税収減に伴い、公共施設の修繕サイクルを15年から20年に伸ばす措置が取られようとしている区も。
そんな中、神奈川県の政令指定都市である川崎市の広告が話題を呼んでいる。しらべぇ取材班は、川崎市役所などから詳しく話を聞いた。
■広告出稿には批判的な声も
広告には、「ふるさと納税によって流出している市税は、本来は、私たち川崎市民のために使われる貴重な財源です」と大きく記されている。また、ふるさと納税による減収額がグラフ化されており、今年度は56億円にのぼる見込みだ。
SNS上では、川崎市のこの広告に対して辛辣な意見も。「納税したくなるような返礼品を用意すべき」「このような広告にお金を使うべきではない」との意見があがっているのだ。こういった意見に対して、川崎市はどう考えているのだろうか。
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■「財政状況を知ってもらう必要性」
川崎市財政局は、「否定的な意見も想定内」との上で、「市民に現状を知って頂く必要性があった」と語る。今年度56億円を見込む減収額は、2020年度には63億円に膨れ上がる予測が出ているという。
担当者によれば、「何とか借金で凌いでいる状態だ」とのこと。市民サービスに影響が出ないように何とかやりくりしているという。
ふるさと納税による減収は、たとえば横浜市の場合は国から4分の3の補填を受けている。しかし、川崎市は全国に86ある普通交付税不交付団体の1つであるため、補填額は0なのだ。