『鬼滅の刃』が大人気になった背景とは 物語を畳み始めた理由はなぜなのか
今話題の『鬼滅の刃』とその作者・吾峠呼世晴のこれまでとこれからを分析。
■女性漫画家が少年漫画を描く?
このように独特な絵柄とキャラクター造形によって、強烈なインパクトを残すのが作者の漫画の魅力。これによって、作者の読切漫画は近年稀に見る成功の印象を跡付けているのだ。作者の連載前作品は、『吾峠呼世晴短編集』で読むことができる。
作者は、いくつかの証拠から女性であるとされており、女性漫画家が少年漫画を描く、ちょうど良い独特の世界観が功を奏しているのだ。
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■光りだした『鬼滅の刃』
しかし『鬼滅』連載当初は、その魅力はあまり読者に伝わらなかったようだ。吾妻善逸というキャラクターが登場する頃には、その人気は盤石となった。
『鬼滅』は人気が出始めると、ジャンプ読者からは「光っている」として注目されるようになったのだ。しかし、作者の作風からすれば、最初から光っていた。実際、元モーニング娘。の飯窪春菜も読切作品から作者に注目していたようだ。
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■王道少年漫画『鬼滅の刃』
癖がありすぎた読切作品から連載開始にあたって、作者は王道少年漫画に切り替えた。そのために、世界観によるインパクトは薄まったようだが、大ヒットは既に約束されたようなものだったのだ。
実際に、『鬼滅』はトップクラスの人気を走り続けた。よって、アニメ制作会社ufotableが『鬼滅』の大ヒット要因のほとんど全てのような言い方は間違っている。