「一斉休校」に悲鳴を上げる食品業界 元芸人が営む豆腐店に事情を聞いた
2日より実施された「一斉休校」の影響を受け、学校の給食に関連する食品業界が大きな痛手を被っている。ツイッターで話題の豆腐店に話を聞いてみると…。
■あまりの人気ぶりに即完売
東京メトロ『落合南長崎駅』から歩くこと約10分。住宅地に居を構える『土佐屋豆腐店』を訪れると、なんとすでに当日分のドーナツは売り切れとのこと。
250個ほど作ったドーナツだが、取材した3日の当日分は午前11時の時点で早々に売り切れてしまったそう。実際に店頭の様子を見ると、お店を訪れた客のほとんどが特製ドーナツがお目当てだったことが分かった。
大半の客が売り切れと分かるなり次回分の予約をしていったことからも、同店の人気ぶりが伺える。
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■業界の苦労を聞くと…
客足が落ち着いた頃に改めて話を聞いてみると、食品業界の苦労が浮き彫りとなった。
川田さん:学校から「3月分の給食が全てなくなる」と通達があったのは先週の金曜日(2月28日)の午前でした。大きく減ってしまう売り上げをカバーしようとドーナツの販売を常時行なうことにしたのですが、ツイッターを見てくださったお客さんが大勢いらして、非常にありがたいことです。今日の分も、予約以外は完売してしまいました。
もちろん豆腐屋も苦労していますが、今回一番被害が深刻なのは牛乳や生鮮食品を扱っている業界でしょうね。1週間分の給食を見越して精米をしてしまった、米屋への影響も大きいと思います。
経済や流通がストップしてしまうと、鮮度が大切な食品業界はそれだけで影響を受けてしまいます。消費者の方々が食材を買ってくれるだけで、大きな支援に繋がると思います。
供給が不足する可能性のないトイレットペーパーが買い占められる一方で、鮮度が落ちてしまう前に食材を売らなければならない、食品業界が大きな苦労を強いられている。「今この商品を必要としているのは誰か」「今困っているのは誰か」をよく考え、助け合いの精神に基づいた買い物をすべきだろう。
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