東日本大震災から9年 応援訴えた蔵元「いちばん怖かったのは未来が見えなかったこと」

東日本大震災後、自粛ムードの中で東北の日本酒への応援を訴えたYouTube動画を覚えているだろうか。

2020/03/11 09:00


 

■日本酒の海外輸出が進む

ハナサケニッポン・南部美人・久慈浩介

南部美人は、現在日本酒の海外輸出にも積極的に取り組む。海外で権威ある賞を数多く受賞しているほか、ユダヤ教の認証であるコーシャを取得してイスラエルに日本酒を広めたり、アフリカや南米などにも久慈さん自ら足を運んでいる。

東日本大震災まで、海外輸出は南部美人を含む一部の酒蔵が個人的な努力だけで行っていたというが、震災以降大きく変化した。政府は、「ENJOY JAPANESE KOKUSHU(國酒を楽しもう)」プロジェクトを立ち上げ、日本酒の輸出を国家戦略のひとつに位置づけた。

「震災のときに、『日本酒が地域への応援につながる』ということが理解していただけて、政府が日本酒を推すという判断にもつながったのではないか。また、震災当時、応援消費は海外からも支持されたが、その時に世界が日本酒の価値を見出してくれたのかもしれない」と語る。


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■「怖かったのは未来が見えないこと」

現在、政府は新型コロナウイルス対策として、イベント等の自粛を国民に訴えている。震災後の自粛ムードとは異なり、これについては「ウイルスの問題であって、行動の自粛はそのとおりだと思う」と久慈さん。

しかし、北海道の飲食店を応援するクラウドファンディングに自らも投資し、SNSでも積極的に紹介している。じつは、久慈さんの母も北海道の出身だ。

「今、日本でいちばん大変なのは北海道。私たちの業界でも飲食店や酒屋さんが大変な思いをしている。今すぐ北海道に行くことはできないが、『未来に投資してください』という考え方がいいと思う。私たちも震災と自粛ムードのとき、いちばん怖かったのは未来が見えないことでした」

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(取材・文/しらべぇ編集部・タカハシマコト

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