tricot、結成9年目にメジャーデビューした理由　「200万枚売ろうとしてます」

中嶋：私は「秘密」ですね。今までになかった音の感じがあって、ドラムの音の取り方とか、ギターの音も新しいし、始まりの音も唐突。前半と後半で同じメロディーを歌ってるんですけど、景色の見え方が全然違う感じになってて、そこもお気に入りです。

キダ：私は「混ぜるな危険」です。特に意識してるわけではないんですけど、最近のモードはちょっとオシャレな感じやったんで、久しぶりにヤンチャな感じの音になりました。

ちょっと激しいものをやりたいと思ったときに出てきたフレーズから入って、余白のある終わり方をしてるのとかもいいですね。

ヒロミ：私のお気に入りはやっぱり「真っ黒」。いいですか（笑）？

ヒロミ：展開もしてるところはしてるんですけど、それが重たく感じひんくらいメロディーもいいし、単純にすごいいい曲やなと思って。

tricotらしさもあるけど、ヘビー過ぎないというか。なので、私たちの音楽を初めて聴いた人もいいと思ってくれると思うし、前からファンの人にも「tricotまたいい曲出してきたな」と思ってもらえるんじゃないかなと思います。

吉田：「右脳左脳」と「ワンシーズン」ですかね。僕の中では、「右脳左脳」はディスコミュージック、「ワンシーズン」はクラブミュージックなんです。

僕の好きなワールドミュージック的な要素をすごいふんだんに入れてて、普通のロックバンドがやらないノリ感があると思います。今までも入れてはいたんですけど、ここまでガッツリ入れたことはなかったです。

今までtricoみたいなロックバンドしか聴いてなかった人に、僕がワールドミュージックに受けたような衝撃を受けてもらって、別の趣味を開花させられたらと思っています。

吉田：tricotの音楽が広がってほしいがゆえのメジャー移籍なので、自由にやりながらもちゃんと売れたいです。ただただ自由に好きなことやってるだけで、終わらせたくないと思っているので。

その間には、海外とかみんなが思ってることはあると思うんですけど、最終はそれを経て、売れて広がっていくことが一番にあります。

中嶋：うちら来年10周年なんですけど、そういうタイミングで拾ってくれたavexには感謝してて、みんなで「ちゃんと売れていこうぜ」っていう仲間に入りたいと思います。

アーティスト、レーベル、マネジメントの思ってることが違う感じにならないようにしたいし、みんなハッピーになることが目標ですね。

中嶋：tricotはCDを200万枚売ろうとしています！

ヒロミ：アハハ（笑）。思ってなさそうやし、しかもこのご時世に！

中嶋：かわいい（笑）。