■脆弱な免疫系と森林火災と
栄養の偏りや貧血の問題を抱えている子供も多く、免疫系が脆弱でウイルスや細菌に弱いとされる先住民族たち。医療も行き届かないなか、共同生活のせいで病気があっという間に流行するため、はしかやマラリアと同様、呼吸器感染症の流行は部族の絶滅につながると恐れられてきた。
また長引くアマゾン森林火災で、多くの人が呼吸器にダメージを負ったとも考えられている。もしも新型コロナに感染すれば、肺炎の重症化は避けられないとみる専門家も少なくない。
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■保護区で増える不法侵入
20世紀半ばまでは完全なる隔離が保たれていたが、ヤノマミ族の保護区に関しては近年、金の違法な採掘を目的に何千という白人が侵入していると報じられている。
なおアマゾナス州全体では900人超の新型コロナ感染者を確認。保健当局は「重症肺炎は州都マナウスの病院でしか対応できず、集中治療室はすべて満床。人工呼吸器も空きがない」と発表している。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)