老舗ゲーセン『ミカド』は新型コロナに屈しない 「お前ら全員出禁な!」
長きに渡ってゲーマーたちを見守ってきた老舗のゲーセン『ミカド』もついに休業に。今後の展望について直撃インタビューを行なった。
■店が閉まってても大忙し?
「半年間は絶対に給料を止めない」というポリシーのもと、店舗休業中もスタッフに給料をしっかり払っているミカド。その辺りを深く聞いてみると…。
池田氏:お店の掃除だったり消毒だったり筐体の調整だったり…。じつはゲーセンってやること沢山あるんですよ(笑)。「お金が払えないのでスタッフ全員解雇です」っていうのは絶対したくなかったので、「スタッフに半年は給料出せる」目処がついてから安心してお店を休業できました。
コロナが半年後に終息しているかはまだ分かりませんが、そしたら半年後にまた新しい手を考えますよ。悲観ばっかりしてても仕方がない。ミカドがグッズ販売や配信に力を入れるようになったのは、やはり東日本大震災の影響が大きいです。ゲーセン開いて大勢のお客さんを呼んでも、それだけじゃ絶対に頭打ちになるって気付きました。
今はどこも大変な状況ですが、他のゲーセンにも頑張ってほしいです。業界を盛り上げるには、うちだけに人が集まってもダメなんです。「あのゲーセンに強い奴がいるらしいぞ」とか、「店員がめっちゃ強いらしい」とか、ゲーセンってそういう情報に活気づけられていく空気感が大事だと思うんですよね。
関連記事:緊急事態宣言出ても原宿の「ブラザー」たちがノリノリだった理由
■ミカド勢の声
続いて記者は、ミカドをこよなく愛する「ミカド勢」に同店の魅力を聞いてみた。以前は週2ペースで通っていたものの、現在は遠方に越してしまったという30代男性のミカド勢は…。
ミカド勢:特定のタイトルが好きで固まったゲーマーって、いわゆる新規プレイヤーに排他的になってしまうことが多いんですよね。でもミカドは新規勢にも明るい人たちが多くて、みんな「勝つ」ためのゲームでなく「楽しむ」ためのゲームをしている印象です。
ソーシャルゲームの普及や家庭用ゲームのオンライン化が進む中、プレイヤー同士が集まって血の通った交流ができるのがミカドの魅力ですね。今後ネット化が加速する中でも、「ゲームを通じて人同士がコミュニケーションをとれる店の模範」であってほしいです!
また、男性よりもミカド歴が長いというユーザーたちに話を聞いてみても、やはり「来店客を飽きさせないための工夫」「店長をはじめとするスタッフらのゲーム愛」がヒシヒシと伝わってくるのが魅力とのこと。
大会の動画配信を観てから興味を持って足を運び、気づいたらミカドの魅力的なイベントの虜になり、そのまま「ミカド勢」になったゲーマーも多いようだ。
「古き良きゲーセン」でありながら、ゲーセンとして最先端の姿に挑戦し続けるミカド。大勢のファンに愛され続けるのも納得だろう。
・合わせて読みたい→緊急事態宣言出ても原宿の「ブラザー」たちがノリノリだった理由
(文・取材/しらべぇ編集部・秋山 はじめ)