大分のゲーセンを襲う脅迫電話 店主が「休業を決めた理由」が英断だった

大分県のゲームセンターの元に複数の強迫電話が。内容を受け、店主が休業に踏み切った理由とは…。

2020/05/02 11:30


 

■店長の人柄を感じる決断

フリッパーズクラブ

数件の脅迫電話を切っ掛けとし、休業を決意したという同店。しかし、店主が最も心配したのは「直接的な危害」だけではなかったようだ。

店主:もちろん「新型コロナの蔓延を防ぐため」という意味合いもあるのですが、お店やお客さん、そしてスタッフの身の安全を考えて、休業という選択を選びました。しかし、理由はそれだけではありません。


もしも営業を続け、脅迫電話をかけてきた相手が「ゲームセンター」に被害を与えたら…。ただでさえ今、世間から悪い印象を持たれているゲームセンターにとっては致命的になりかねません。


私がお店を開け続けて万が一事件が起きて、それが切っ掛けで全国のゲームセンターさんのイメージが最悪になってしまったらと思うと…それが何よりも怖くて、休業の決定打となりました。


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■大分の過酷なゲーセン事情

ゲーセンなどのアミューズメント施設に休業を要請し続けてはいるが、いわゆる補助金は「出さない」というスタンスの大分県。

そのため、『フリッパーズクラブ』も返答を待っている融資が可決されない限り、5月以降も店が維持できるか分からないという危険な状態にあるようだ。

店主:融資が認められれば、金額次第ですけど夏までは何とかもつのかな…という感じです。スタッフや周りの人からも「クラウドファウンディングをしてはどうか?」と聞かれるのですが、うちには見返りになるようなものがないため、クラウドファウンディングは本当に最後の手段として考えています。


このコロナの騒ぎがいつまで続くか分からないのに、そんな状況で「見返りもないけど支援をし続けてくれ」なんて、私は絶対に言えません…。


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■店の「秘策」とは…

フリッパーズクラブ

岡山県のゲーセン『ファンタジスタ』が音頭をとり、大阪府にあるオリジナルグッズ製作会社『いらすとぷらす』の元で多数のゲーセンが「チャリティキーホルダー」を販売中。『フリッパーズクラブ』のキーホルダーもこちらから入手可能となっている。

しかし同店ではなんと、「カレーの販売」による起死回生を図っているという。

店主:「ゲーセンでなぜカレー?」と思われるかもしれませんが(笑)。私の親戚がレトルト食品の真空パックに関連した仕事をしてるんですね。それに私自身が大のカレー好きということもあって、「オリジナルレシピのカレー」の販売を検討しております。


もちろん売り上げは雑費を除き、全て店の維持に充てる予定です。「見返りのない支援」をお願いするのは絶対にしたくないのですが、「美味しくて健康に良いカレー」ならセーフかな…と(笑)。


味には自信があるので、支援者の方々にも満足して頂けるようなチャリティにできれば何より嬉しいです。


よく『フリッパーズクラブ』に通っていたというゲーマーから話を聞くと、同店は利用客主催のゲームイベントなどにも快く対応してくれていたそう。

大人気格闘ゲーム『ウルトラストリートファイター4』の地域対抗戦(大分VS熊本)はかつて同店で行なわれたようで、当時を知るゲーマーからは「今でも良い思い出」「いつかまた皆で集まって遊びたい」といった思い入れを聞くことができた。

店の未来だけでなく、「ゲーセン文化の未来」のために休業を決めた『フリッパーズクラブ』。チャリティキーホルダーはもちろん、オリジナルカレーが販売された際はそちらも是非チェックしてみてほしい。

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(取材・文/しらべぇ編集部・秋山 はじめ

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