見落としていた助成金を一括表示 有志で生まれた「助成金検索サイト」が話題

国や自治体からの補助金、金融機関の融資に関する情報を一括検索できるデータベース「融資助成金サーチ」がネット上で脚光を浴びている。

2020/05/13 12:00


 

■まさに怪我の功名

融資助成金リサーチ

「令電会」は大阪大学工学部のOB3名と現役生1名で構成。開発のきっかけになったのは、コロナ余波で仕事が激減したというミュージシャンの友人からだった。

貯金を切り崩し生活する姿が気の毒になり、補助金などの情報を調べてあげたところ、「政府の情報は色々なところに散らばっていて、文章で書いてあったりファイルに書いてあったり、やっと見つけたリンクは切れていたりと、対象の情報を見つけるにも一苦労でした」と予想以上にハードルが高かったことを痛感。

「これはかなりの数の方々が、探しにくい、わかりにくいと感じているはずだと思い、一括で検索できる検索エンジンを作ったらいいのでは、と思い立ちました」と、まさに怪我の功名でこのサイトは誕生することになった。


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■知られていない助成事業も多数

融資助成金リサーチ開発にあたって「令電会」メンバーが省庁に補助金などの利用実態にヒアリングしたところ、予想外のエピソードを耳にしたという。認知度の低い補助金事業が多くあり、お金を払う側の省庁職員が対象者に「補助金払える可能性があるので利用してみないか」と営業しているという現実だ。

「本来行政の支援を受けられるのに、その存在を知らないがために支援を受けていない人が沢山いるはず。そういった方々には、融資助成金サーチで使える融資や補助金を見つけ、今後の事業や生活に役立てて頂きたいと願っています」と令電会メンバーは思いを吐露。

今後について聞くと、「中小事業者や個人の方がお金に困ったとき、一番最初に思い出してもらえるような、『融資助成金のグーグル』を目指します! その他にも、令電会では、社会や人々のお役に立てる様々なサービスを生み出して行きたいと考えています」と意欲を語ってくれた。


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■現状は完全ボランティア

融資助成金リサーチ
(「令電会」の若きエンジニアたち)

一方で気になることもある。このサイトには広告表示などが一切なく、収益化されていないのだ。その疑問をぶつけると、完全にボランティアでプロジェクトが進んできたという経緯、さらには予想外の反響がありサーバー費用がかさむようになっていることを明かしたメンバー。

「当面は、少なくとも新型コロナウイルスの自粛要請が出ているこの状況においては、困っている方にストレスなくご利用いただきたいと考えており、このまま運用していく予定です。今後のスポンサーは未定ですが、少なくともサービスは今のまま続けられるようにしていきたいです」と信念を明かしてくれた。

若きエンジニアたちが、多くの人を救う日もそう遠くはなさそうだ。

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(取材・文/しらべぇ編集部・佐藤星生

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