内藤瑛亮監督、『許された子どもたち』制作の経緯と裏側を語る
『許された子どもたち』の内藤瑛亮監督が、“映画を語る”配信番組『活弁シネマ倶楽部』に登場。
今月1日に満を持して公開となった映画『許された子どもたち』の内藤瑛亮監督が、“映画を語る”配信番組『活弁シネマ倶楽部』に登場。
リモートで実施された収録で、MCを務める映画評論家・森直人氏を前に、本作が制作されるに至った経緯や、撮影の裏話などを語っている。
■価値観や倫理観を激しく揺さぶる
『許された子どもたち』は、実際に起きた複数の少年事件に着想を得たオリジナル作品。『先生を流産させる会』(2012)、『ミスミソウ』(2018)など、そのセンセーショナルな内容により、作品が発表されるたび物議を醸す内藤監督が、8年もの歳月をかけて構想し、自主映画として完成させたものだ。
本作の制作にあたり、監督は10代の出演者を対象にワークショップを開催。“少年犯罪”や“贖罪”というものについて、共に考えを巡らせたという。 いじめや少年事件という社会問題を通じて、現代に蔓延する生きづらさを鋭く切り取った本作は、観る者の価値観や倫理観を激しく揺さぶるものとなっている。
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■「これを待っていました」という思い
『先生を流産させる会』が公開された2012年以来の対談となった、森氏と内藤監督。森氏はまず、今作について「これまでの内藤監督作品のエッセンスが、すべて詰め込まれている映画」と評する。さらに「個人的に、『これを待っていました』という思いです」と続けた。
「希望としては『許された子どもたち』を最初の商業作品としてやりたい思いがあった」という内藤監督。しかし、『先生を流産させる会』で評価を受けたあと、『パズル』(2014)や『ドロメ 男子篇・女子篇』(2016)などの商業作品を手がけ、8年がかりで今作の制作に至ったそうだ。
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■映画界の現状にも話題は及ぶ
商業映画を多く経て、内藤監督自身、久しぶりの自主映画となった本作。暗い印象の作品ではあるが、学生時代の仲間たちの協力もあり、現場は楽しいものであったらしい。また、演じ手である子供たちにカメラを持たせたり、演出への彼らの意見を採用することもあったようだ。
そのほか今回のトークでは、『ドラえもん』における子どもたちの関係性の構図が、思春期の美しさであるのと同時に闇黒な面へと転じる可能性、内藤監督作品と真利子哲也監督作品の類似点、時代の流れとともに変わっていく思考、さらには、現在の映画界の現状にも話題は及んでいる。
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(文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)