批判殺到の「Go To」 京都の旅館が炎上覚悟で打ち明けた希望と期待
政府主導の経済活性化策「Go To キャンペーン」に批判が高まっている中、観光地の率直な思いが話題を呼んでいる。
新型コロナウイルス感染拡大と外出自粛で影響を受けた国内産業を支援する目的で、22日に開始される予定の経済活性化支援事業「Go To キャンペーン」。
当初は旅行客の宿泊費などを割り引く予定だったが、ここにきて感染者がさらに増加していることもあり、東京発着の旅行客や、若者と高齢者の団体ツアーを急遽割引対象外とするなど迷走している。
キャンペーン自体への風当たりが強くなる中、京都の旅館が苦しい胸の内をツイッターに明かしたところ、「業界全体を思う勇気ある発言すばらしいです」「一筋の光になればいいですね」と、エールの声が届いている。
■「ようやく見えた光です」
Go to キャンペーン、反対の方がたくさんいらっしゃるのは存じていますが、賛成の方もまたいらっしゃいます。事実予約は入って来ています。何故いまなのか?と言う疑問もあるかと思いますが、もう今でないと間に合わないと言う境遇もまたあるのです。観光業にとってはようやく見えた光です。
— 京都の旅館こうろ【公式】 (@RyokanKOHRO) July 15, 2020
今回声を上げたのは、京都市内有数の繁華街にある「旅館こうろ」(京都市中京区)。
同館公式ツイッターアカウントは15日、「何故いまなのか? という疑問もあるかと思いますが、もう今でないと間に合わないという境遇もまたあるのです。観光業にとってはようやく見えた光です」とつづり、今回のキャンペーンが観光業で生きる人々への希望だったと告白した。
コロナ拡大の時期に旅行をすること自体に反対の声が根強い中、同館の北原代表は「7、8月の予約は例年の3分の1以下にとどまっています。関東からのお客様は少なく、大阪が多いです」と苦しい状況を明かす。
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■批判覚悟でのツイート
同旅館は、4月から6月にかけて休業していた。観光業にとって書き入れ時となるゴールデンウィークの売り上げはゼロと、経営的に厳しい日々が続いた。
そんな中、発表された今回のキャンペーン。北原代表は、「旅行客が戻ると期待していました」とその時の思いを吐露した。だが、マスコミの報道やネット上での反対の風潮が強いことに「そこまで反対されるとは思っていなくて、最初はそのことにびっくりしました」と打ち明ける。
続けて、「キャンペーンが中止となることが怖かったんです。反対一色の中、『実施してほしい』とツイートすると、批判を受け、炎上することも覚悟しておりました。ですが、我々だけでなく多くの事業者が、このキャンペーンに対し本音を発信できていないと感じたのです」と、勇気を振り絞って投稿したことも明かしてくれた。