症例56件のみの獣人化現象「ゾアントロピー」 自身を鶏と主張した女性を認定
まだまだ不明点だらけだと言われている「脳」。この現象も今後にさらなる研究が必要だという。
■妄想の中で自身を獣人化
ドラッグやアルコールは嗜まないが、数ヶ月前に最愛の家族を亡くして以来、うつ症状に苦しんでいたという女性患者。複数の医師が観察を続けた結果、妄想の中で自身を獣人化させていく「ゾアントロピー(zoanthropy)」と呼ばれる現象が起きたものと診断された。
これは統合失調症、精神病性うつ病、あるいは双極性気分障害などが認められる患者に稀に発症し、症状は1時間以上続く。農村部での発症例が多い理由なども含め、今後にさらなる研究が必要だという。
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■世界でわずか56例
鳥ばかりか、ライオン、トラ、サメ、ワニ、ウシ、ネコ、ウサギ、馬、ヘビ、ネズミ、蝶になり切った例も確認されているゾアントロピー。しかし1850年から2012年まで、世界でわずか56しか症例が報告されていないそうだ。
犬の吠え声や仕草をとても上手に真似する者が、前世は犬だったに違いないなどと語ることがあるが、それだけでゾアントロピーとは診断されない。基礎に脳機能障害や精神疾患があることが前提になるという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)