小池都知事、国と食い違う「重症者」定義について説明 ICU患者を除外したワケ

東京都の小池百合子都知事が、21日の定例会見で、国と東京都が定義する重症者との食い違いについて説明した。

2020/08/21 16:20

小池百合子

東京都の小池百合子都知事は、21日の定例会見で、新型コロナウイルスの感染者のうち、重症者の定義が国の指針と違っていることについて説明した。



 

■尾身会長は「ピークに達した」との見方だが…

20日に判明した新規感染者数は339人、重症者数は36人。「依然として、高止まりの状態にある。高齢者にも広がっており、厳しい状況は続いている」と警鐘を鳴らす。

同日開かれた日本感染症学会の講演で、コロナ分科会の尾身茂会長は、現在の感染状況について「全国的にはピークに達したとみられる」との認識を示した。

小池都知事は「国として、全体を俯瞰する分科会の会長として発言されたのだと理解している。ピークであるかどうか、対策を講じて見ていく必要があると思う」と、気を緩めないことが大事だと強調した。


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■虹のステッカーについては…

感染対策を徹底していることを事業者が利用客にアピールできる、虹のマークでおなじみの「感染防止徹底宣言ポスター」にも言及。

現在、21万枚が掲示されているというが、掲示した江戸川区のフィリピンパブでクラスターが発生するなど、その掲出意義は揺らぎつつある。小池都知事は「実効性の担保と共に、より一層の活用の促進に向け、都職員が店舗を訪問し、普及啓発活動に望みたい」と語った。


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■「重症者の定義」

新規感染者数と同時に、連日発表している重症者数。これについて、厚生労働省の定義と東京都の間で、食い違いが生じていたと報道されており、それについても言及。

具体的には、ICU(集中治療室)に入るケースを東京都は定義として除外していたというもので、小池都知事は「専門家の皆様とのやり取りの中で、ICU入りが重症のケースとは限らない、という話も出ていたため、都においては『人工呼吸器』『人工心肺措置』の2つを重視して定義している」と説明。

結果的に重症者数が少なく見える数値を公表し続けていることに、今後都民の理解が得られるのかは微妙なところだ。

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(取材・文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部

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