ポスト安倍を狙う岸田文雄・菅義偉・石破茂の攻防 キングメーカーは二階幹事長
28日、突如辞意を表明した安倍晋三首相。早速後継選びが激化しているが…。
■禅譲路線は破綻も
蚊帳の外に置かれた二階氏は、「大半がもらえない」と知った世論をテコに見直しを示唆。便乗した公明党に突き上げられて、首相は岸田氏に収拾を委ねたが、二階氏や公明党を手なずけられるはずもない。政権は閣議決定した補正予算の組み替えという失態を余儀なくされた。
連立離脱で脅された安倍首相、予算編成権の聖域を侵された麻生財務相のメンツは丸潰れだ。手柄を取られた自民党議員は怒り心頭。宏池会(岸田派)シンパが多い財務官僚も失望し、岸田氏を見限る空気は一気に広がった。
安倍首相・麻生副首相の2人は6月に8回ほど会談し、「後継は岸田ではダメだ」と確認したと言われている。
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■国民の支持は石破氏がダントツ
ただ、岸田氏がそれでもポスト安倍に浮上しているのにはワケがある。政界とりわけ自民党を長年取材しているあるフリーランス記者は、「岸田を見限れば安倍首相や麻生副首相が最も嫌う石破茂元幹事長にポスト安倍が転がり込む。それだけは両氏ともに避けたい」と語る。
石破氏は国民からの支持が高く、時事通信が8月に行った調査でも、次の総理アンケートで自民党支持層に限っても石破氏はダントツトップで、2位の安倍首相に10ポイント以上の差をつけた。前出の記者は語る。
「総裁選をやれば、党員票で石破氏が他候補よりもトリプルスコアで票を得る可能性がある。そのため、党員の投票を伴わない両院議員総会で新総裁が選ばれるというのが既定路線。
手続きを一任されたのは二階幹事長です。安倍首相の意をくみ、国会議員による投票中心での選出を考えています。石破氏も4度目の総裁選挑戦になりますから、ここで彼の総裁候補の芽を摘むことにもなる」