日本に近づく台風10号は特別警報級に発達か 気象予報士が語る警戒点は
テレビ朝日「スーパーJチャンネル」お天気コーナーでも活躍する千種ゆり子気象予報士によるコラムがスタート。
気象予報士の千種ゆり子です。これから定期的に天気に関するコラムを連載していきます。7月は長雨、8月は猛暑の1ヶ月でしたが、9月は台風の1ヶ月となりそうです。
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■「特別警報」の可能性も
9月早々に台風10号が発生し、特別警報が出される可能性があると気象庁が警告するほどの事態となっています。
特別警報とは「既にどこかで災害が発生しているほどの危険な状況」の時に出されるものですから、気象庁はこの台風によりどこかで災害が起こる恐れがあると警告しているわけです。大雨・暴風・高潮・高波・雷・竜巻、ありとあらゆる気象現象に警戒が必要です。
台風10号は5日(土)には今年初の猛烈な勢力に発達し、西日本~沖縄・奄美方面へ向かう見込み。九州に最接近時の6日(日)中心気圧は925ヘクトパスカルの予想で、もし九州に上陸すれば、統計史上最も強い勢力で上陸することになります。
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■外に出るのが危険なレベル
925ヘクトパスカルの台風というのがどのような影響・被害をもたらすのか。具体的にイメージできる方は少ないと思います。こういう部分をしっかり伝えられるかどうかが、気象予報士としての力の見せどころだったりします。
去年千葉県で長期間の大停電をもたらした台風15号、関東から東北の大規模河川の氾濫をもたらした台風19号はいずれも中心気圧950~960ヘクトパスカルでの上陸でした。
一昨年の関西国際空港が浸水した台風21号も同様の勢力で近畿地方に上陸しています。
それを凌駕するほどの勢力ですから、さらに具体的に言うと
・外に出るのが危険:瞬間的に秒速70メートル以上の風が吹くと予想されます。時速に直すと250キロ以上。外に落ちている雑誌などが飛ばされると、窓ガラスが割れる、凶器と化す世界です。
・長期間の停電の恐れ:暴風で木が根元から折れ、その木が電線に引っかかると、停電に繋がります。
・崖のそばでは土砂災害、川のそばや低地では浸水の恐れ
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■日曜はステイホームも
そこで皆さんにオススメしたいことは、
・週末(特に6日(日))の予定をキャンセル:ステイホームしましょう。
・車のガソリンを満タンにしておく:停電時の電源代わりに使えます。
・家が古い等で風が怖ければ、頑丈そうな家に住んでいる知人宅などに前日までに“分散避難”させてもらいましょう。誰かといれば、少しだけ怖さも和らぐかも。
台風10号は、発生した9月1日時点の予報では紀伊半島から九州付近を指向していましたが、予報が更新されるごとにどんどん大回りの予報になり、9月2日23時現在は、南西諸島や九州方面に向かう予想になっています。
台風の予報は3時間ごとに更新されますので、最新の予報は気象庁ホームページから確認してください。
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(取材・文/気象予報士・千種ゆり子)