兵庫・明石市独自「5つの無料化」が話題沸騰 市長は「市民が誇り持てる街づくりのために」
明石市の5つの無料化に称賛の嵐。その秘訣を市長に直接聞いた結果…
少子化・人口減少に悩む自治体がほとんどの今、人口が7年連続増え続けている驚異の街が話題を呼んでいる。しらべぇ取材班は、市長からその秘策について、詳しく聞いた。
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■日本標準時子午線が通る街
兵庫県南部に位置する明石市は、人口29万9,719人(9月1日現在)で、面積49.42平方キロメートルの中核市。市の東部には日本の時間を決める基準となる、東経135度日本標準時子午線が通っている。
明石と言えばタコという人もいるほど、明石のタコは有名。明石の海からは、今から約2,000年以上前にイイダコをとるために使われていたタコツボが発見されるなど、はるか昔からタコがとられていたという。
また、明石市民なら誰でも知っている明石焼。地元の明石では「玉子焼」と呼ばれることもあり、大阪のタコ焼きにタコが入っているのは、明石焼からヒントを得たと言われている。明石市内には約70軒の明石焼を売る店があり、それぞれの味を競っている。
その明石市の「5つの無料化」が、「すごすぎる。うちの街でも是非やってほしい」とSNS上で話題沸騰中だ。
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■5つの無料化の中身とは
明石市では、①中学生の学校給食無料 ②保育料が第二子以降完全無料 ③医療費が15歳まで完全無料 ④公共施設の遊び場が親子とも無料 ⑤満1歳までおむつ無料(10月開始)といった子育て支援策を行っている。
すべて所得制限なしで無料となり、①だけでも子供一人あたり約16万円の負担軽減になる。③については、受給者証を見せることで、兵庫県内であれば、病院代も薬代も窓口で支払う必要がない。
兵庫県以外の病院を受診しても、その領収書を市に提出すれば、病院代も薬代も支給される。
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■結果として合計特殊出生率が上昇
⑤については、0歳児を養育する家庭が、専用の赤ちゃん用品カタログから紙おむつやミルクなど2点を選ぶと、生後3ヶ月目から毎月配達員が届けるシステムになっている。
このような子育て支援策が功を奏し、市の合計特殊出生率(1人の女性が一生の間に産む子の数を示す指標)が2018年に1.70となり、全国平均1.42、県平均1.44を上回る結果となった。
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■市民が誇りを持てる街づくり
泉市長は、しらべぇ編集部の取材に対して、「人口が増えているのは、市民が誇りを持てて、安心できる・優しい街づくりを行っている結果」と語る。市長によると、近畿一円から特に30代の子育て世代が、市民による口コミによって、多く転入してきているという。
また「行政がお金を配るだけでは、わざわざ引っ越して来ない。市民が街に対して安心感があるからこそ、友人・知人にわが街を口コミしてくれている」と話す。