いよいよ論戦開始 首相候補の石破、菅、岸田3氏が「譲れない政策」とは?

8日、自民党総裁選に出馬した3名が記者会見に臨み、それぞれ重視する政策などについて語った。

2020/09/09 07:40

石破茂・自由民主党

8日、安倍晋三首相の後継を決める自民党総裁選が告示され、石破茂元幹事長、菅義偉官房長官、岸田文雄政調会長の3候補が出馬を表明。新総裁を決める14日の両院議員総会に先立ち、8日午後、3名が共同記者会見に臨んだ。

会見では、記者から総裁選の争点、さらには独自で掲げたい政策について質問が飛び、以下3者の答えをそれぞれまとめていきたい。



 

■石破氏「地方の潜在力を最大限に活かす」

石破氏は、「争点は、自民党がいかにあるべきかです。新綱領に則って、勇気をもって自由闊達に語れる党でありたい。あらゆる組織と協議する党でありたい。国会を公正に運営し、政府を謙虚に機能させる党でなければならない。そして我々の政府がつくる政策や条件づくりはあらゆる人に公平なものでなくてはならない。そして党は国民のもので、国会議員のものではない。そうきちんと認識してもらえるそんな党にしていきたい」と、まずは党のあり方について語った。

政策については「自分のカラーが出る政策については、自分なりの考えがあります。だからこそ総裁選に出ている。地方創生というのは、かつてのような地域振興策ではなく、潜在力のある地方、この潜在力を最大限に活かしていかないとGDPは維持できない。東京の一極集中がこれ以上続くと、東京の抱える負荷が大きすぎる。政治、経済、金融、文化、情報、その中心にある東京の負荷をこれ以上増やしてはならない。それは東京のあり方の問題で、国のあり方の問題だ。『グレートリセット』というのはそういうことであって、今までの考えを改めていかないと国土の維持はできない」と、過去に地方創生・国家戦略担当相を経験した石破氏らしく、地方を重視する考えを述べた。

さらに、「憲法についてはもう一度24年草案に立ち返るべきだと思っている。政党をきちんと憲法に書く。最高裁判所裁判官の国民審査のあり方を書く。臨時国会の召集についてきちんと書く。そのことについて国民に訴えるために、まず国会においてそういう努力を最大限することだと考えている」と、戦力不保持と交戦権を否定する内容の9条2項を削除し、集団的自衛権行使を容認する姿勢を打ち出していた平成24年の草案に再びスポットを当てた。


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■菅氏「規制改革進める」

菅氏は、「争点はやはりコロナ対策。さらに経済。6月、7月期は戦後最大の落ち込みになっており、そうしたものをどう立て直すのか」と述べた上で、「この縦割りを打破し、既得権益を取り除いて悪しき前例を排して規制改革を進めていきたい。国民から見て当たり前と思われるものの中で、行われていないものがたくさんあり、そうしたことを取り除くことが、今の官房長官の立場として、一番力を入れて取り組んできていること。総理大臣の立場になれば、さらにそれを進めることができる」と、規制改革をさらに進捗させることを約束。

憲法については「自民党の議員として、憲法改正というのは当然行っていくべき」と述べた上で、「すでに4項目のたたき台を提示している。これに基づいて憲法審査会において、各党それぞれが議論、自分の考え方を示して議論を進めていくべきだ。総裁になったらこうした審査会を進めていく。しっかりと挑戦していきたい」と述べた。


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■岸田氏「日本がどう生きていくか、外交で示す」

岸田氏は、総裁選の争点について「私も安倍政権の7年8カ月を高く評価する一人。私もチームの一員として、大きな成果を上げられたと思っている。しかしここから先は次の人間が担う。ここから先の経済、あるいは地方、社会保障、外交の大きな方向性やビジョン、これを党員や国民の皆さんの前にしっかり示していき論じ合う。争点はこの部分ではないか」と説明。

その上で、自身のカラーが出る政策については「大きくは経済と外交。外交については外相を務めたさまざまな経験のもとに、今の国際秩序の変化、米中対立が深刻化し、そして保護主義、自国主義、ブロック経済、こうした分断が進む中にあって、島国で人口が減少し、資源がない日本がどう生きていくか。これをしっかり示していかなければいけない」と、元外務相としての目線で日本の抱える問題点を挙げた。

また「経済の部分については政調会長時代、特に経済の議論に力を入れてきた。アベノミクスの成長の果実をどう分配するのか、コロナによってより深刻化した格差にどう向き合うのか。新しい資本主義というものをどのようにリードしていくのか。このあたりをしっかりと訴えていきたい」と、適正な配分を強調し、積極的に格差問題にも取り組んでいくと言及した。

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(取材・文/しらべぇ編集部・佐藤星生

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