学術会議の任命拒否問題に野党・学者・市民が猛反発 「学問の自由の侵害」

菅義偉首相は、日本学術会議に6名の研究者を任命拒否。野党や学者から強い反対意見が続いている。

2020/10/08 10:20

菅義偉首相が日本学術会議の推薦した会員候補105人のうち6人の任命を拒否した問題で、野党・学者・市民から猛反発する声が上がっている。各党は会見で菅政権の対応を批判、関係官僚を招いたヒアリングも開催。また、学者からも連日、批判する声明が出ている。


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■任命は「形式的なもの」

日本共産党・小池晃

日本共産党の小池晃書記局長は5日の定例会見で、首相による任命は「形式的なもの」にすぎないとして、「学問の自由や法治国家としての在り方にも関わる重大な問題だ。閉会中審査も含め、問題の徹底解明、そして任命拒否の撤回と6人の任命を求めていきたい」と述べ、菅内閣を批判。

立憲民主党・福山哲郎

立憲民主党の福山哲郎幹事長は6日の会見で、菅首相が述べる「俯瞰的、総合的な判断」などという説明では、6人を拒否した理由が明らかになっていないと批判。

1983年の国会答弁で政府側が日本学術会議の職務に対して総理に指揮監督権がなく、任命権も形式的であると明らかにされているとし、「法解釈を変更しない限り、今回の執行はできない」と説明した。


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■「学問にまで政治介入」

国民民主党の山尾志桜里憲法調査会長は4日に自身のTwitterで、「日本学術会議が推薦した学者のうち6名が内閣により任命拒否された。この任命拒否には違法の疑いがあり、その疑いを晴らすための説明責任のハードルは相当高く、おそらく菅政権は説明責任を果たすことに失敗する」と投稿した。

社民党・福島瑞穂

福島みずほ社民党党首は7日の定例会見で、日本学術会議が1950「戦争を目的とする科学の研究は絶対にこれを行わない」旨の声明を、また1967年には同じ文言を含む「軍事目的のための科学研究を行わない声明」を、2017年にも「軍事的安全保障研究に関する声明」を発していると指摘。

「『反対する官僚は異動だ』と言い切り、官僚への統制を強めようとしている菅首相が、学問にまで政治介入してきたことは、政府に反対すること自体をやめさせようとする狙いを感じる」と懸念を表明した。

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■任命拒否の早大教授に野党が合同ヒアリング
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