若者のブランド離れは本当か ハイブランドを買わせる企業戦略
10~20代の若者のほうがバブル世代よりもブランド品を購入しているという事実。企業努力による策略。
■おじさんのブランド離れ?
先のデータで、若者層以外のブランド離れが垣間見えた。この結果にはファストファッションブランドの台頭が影響していると思われる。
日本では、ここ20年でGUやアベイルといったファストブランドが続々登場。また、スウェーデンのH&M、スペインのZARA、アメリカのGAPなど、デパートに行くと必ず見るような企業ばかり。
これらのファストブランドは、2008年頃から日本進出を図り、2009年には新語・流行語大賞のトップテンに選ばれるなど、社会現象にもなるほど身近な存在になっている。
手頃な値段で、トレンドを重視したファストブランドは、今や若者だけのものではない。景気低迷による節約志向も相まった結果、素材よし・トレンドよしのファストブランドに、中年層が流れてしまうのは、仕方のないことなのかもしれない。
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■若者に買わせる戦略
約10年前から若者のブランド離れと言われてきたが、ハイブランド市場の企業はむしろ若者にターゲットを絞ったようだ。
ブランド市場では、店舗での顧客との密なコミュニケーションを重要視し、顧客のニーズを理解した上で商品にアプローチすること重視する傾向がある。また、デジタルに対して非常に消極的だった。
世界を代表するハイブランドグループのLVMHグループは、ルイ・ヴィトンやクリスチャン・ディオールをはじめとする計150以上のブランドの商品がオンラインで購入できるサービス「24S.com」を開始。
このサービスは全世界84ヶ国で利用できるほか、Facebookによる商品の宣伝などSNSに特化した、いかにも時代に即したサービスになっている。ブランド市場も焦点を若者に合わせてきており、「若者のブランド離れ」と言われなくなる日も近いかもしれない。
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(文/しらべぇ編集部・北田力也)
対象:全国10代~60代の男女1,789名(有効回答数)