築地本願寺、突然の半沢ネタが話題に 「信長と喧嘩したよね?」とぶっ込むと…
築地本願寺の掲示した今月の言葉が「深い」とネット上で話題に。記者が現地へ向かってみると…。
■「でも、信長と喧嘩したよね?」
他者との関係性が希薄になった影響からか、「他者を思いやる気持ち」が世の中から少なくなっていることを実感している東森氏。それに関しては記者も同感なのだが、ここでふと野暮な質問を思い出す。
じつはネット上では今回の言葉に対し、「浄土真宗、一向一揆やってたよな…」「石山本願寺はめちゃくちゃやり返した」「でも、織田信長とバチバチ喧嘩しましたよね?」といった指摘も少なからず上がっていたのだ。
現代では「僧侶」といえば争いと無縁の存在そのものだが、戦国時代は武装した「僧兵」が珍しくなく、16世紀末には本願寺と、織田信長が刃を交えた「石山合戦」など大規模な戦闘も勃発している。
そこで失礼を承知で、浄土真宗の戦の歴史を引き合いに出すと、東森氏も痛いところを突かれたという表情に。「多分、このイメージ…『信長の野望』のインパクトが強かったんですよね…」と、人気ゲームシリーズの名前を挙げつつ、正直な思いを語ってくれた。
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■「教えを護り伝えたい」という意思
東森氏は、「仰る通り、長い本願寺の歴史の中には、戦いの記録もあります。なので、あまり偉そうなことは言えませんが…」と語り出す。
「当時は戦国の世。信長から土地の明け渡しを強く求められたり、各地で弾圧を受けました。そのことへの反発だったのでしょう。浄土真宗の教えを護り伝えていくには、どうにかして生き残る必要がありました。当時の僧たちは『生き残る』ということを選択としたのだと思います」と、歴史を振り返った。
また「このような質問が寄せられるのも、今の時代にまで戦いの禍根がある証拠ですよね。あらためて今月の言葉を多くの方に知っていただき、少しでも平和な社会になるよう努めたいです」とも続けている。
ちなみに築地本願寺では、「今月の言葉」が印字された参拝カードを随時配布中。記者が取材で訪れた当日も、このカードを手にした参拝客が多く見受けられた。
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(取材・文/しらべぇ編集部・秋山 はじめ)