金子恵美が考える未来の社会 「みんなが相手の価値観を尊重できるように」
10月6日に著書『許すチカラ』を上梓した金子恵美さんにインタビューを実施。「許す」ということについて話を聞いた。
■日頃の積み重ねが大事
―――見習う部分と言うとおかしいかもしれないのですが、周りの夫婦や、浮気や不倫があって離婚という選択をとった夫婦と比べたとき、宮崎さんが「夫としてここは違っているかも」と思うところはありますか?
金子:私の場合、彼に対して議員としての尊敬の念があったので、そこは特殊かもしれないのですが、例えば、私は夫婦間であっても、相手の尊厳を損なう人は許せないんです。
それは妻としてでもあるし、人として、その人が社会で活動していく上で、男性が女性に対して、バカにしていると言ったらいいんですかね。「こんなに失礼なことある?」と、みんなが思うようなことをしてしまっていると、相手の価値が下がってしまうわけじゃないですか。
ただの不倫とか浮気だったら深刻ではないと思うんですけど、奥さんの立つ背がない、奥さんの尊厳を損ないすぎているのはダメなパターンだと思います。その点、うちの夫は、外からどのように見えるかはわからないですけど、やっぱり私が一番であるということを常日頃から表現しています。
愛情表現をしてくれることで、私にとっては自信になるし、相手が私を求めてくれていると思うことができる。何かがあったときに突然、愛情表現をしてきても「何?」となりますよ(笑)。日頃からの積み重ねが大事なんじゃないかなと思います。
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■リアル『らいおんハート』だった
―――宮崎さんが日頃から行っている愛情表現とは、ちなみにどのようなものなのでしょう? 今年28才になる一人の男として参考にさせていただきたいと思いまして。
金子:あの人けっこうアメリカンだけど参考になるかな。けっこう本気で(愛情表現を)やるタイプだけど大丈夫(笑)?
―――が、頑張ります(笑)!
金子:言葉でも平気で「愛している」とか言うし、子供はもちろん大事なんですけど、子供は私がいないと存在しないという考えがあの人にはあるので、絶対的に一番は奥さん、二番は子供らしいんです。嘘くさいけど、そう言えるのはすごいなって。
―――いつかもし子供が生まれたら、世界で二番目に好きだと話そう…。どこかで聞いたことあるパンチラインだと思ったら、SMAPの『らいおんハート』の世界ですね!
金子:本当だ! ゾワっとした(笑)。失敗したなあ…。なかったことにしてもらえませんか(笑)?
―――なりません(笑)
金子:でも、日本人の男性は愛情表現が得意ではない人も多いと思いますが、好きと言われたり、大切と言われて嫌に思う女性はいないと思います。
照れちゃうと思うんですけど、「思っていることを言葉にする」という極めてシンプルなことだと捉えたら、言わないより言ったほうがいいと思いますし、言葉にしないことで、本当は近づくはずの関係が離れたり、モヤモヤするくらいだったら、勇気を出して、その言葉を伝えたほうがハッピーだと思います。
うちの夫は明るいほうがいいというか、同じ時間を過ごすんだったら楽しいほうがいいよね、二人一緒にいるんだったら幸せなほうがいいよね、という考え方が根底にあるので、小さいことでケンカしそうだなってことがあったとしても、ケンカする時間のほうが無駄というか、ぶつかって嫌な気持ちをするのは得ではないと思うタイプなんです。
発想の転換と言いますか、どうしても許せない大きなことは簡単に(気持ちが)おさまらないかもしれないけど、お互い、そういう関係もあるよねという考え方。多様性の考え方と同じだと思うんですけど、あなたの意見も正しいと思える余裕を心に持てば、いいのではないかと思います。さっきの話を忘れてもらおうと思って、たくさん喋ってしまった(笑)。