連続強姦殺人事件の真犯人が警察に「捜査がお粗末」 20年服役の冤罪被害者に謝罪も
凶悪事件の犯人は、何としても時効の前に検挙してほしいもの。しかし誤認逮捕や自白の強要、冤罪での投獄などはあってはならない。

韓国で30年ほど前に起きた連続強姦殺人事件について、2006年4月までにすべての件で時効が成立していたにもかかわらず、今月2日に再審がスタートした。国民の大きな注目が集まるなか、真犯人とされる被告から思わぬ発言が飛び出し、警察を苛立たせている。
■誤認逮捕を繰り返した警察
韓国・京畿道華城郡(現・華城市)周辺で1986年から1991年にかけ、10代から70代までの少女および成人女性10人が、次々と連続強姦殺人事件の犠牲になった。
当時、京畿南部地方警察庁は目撃情報を基に、犯人の身長は160~170cm、20代(1960年頃の生まれ)で痩せ型などの特徴を示したが、誤認逮捕を繰り返すばかり。2003年には、そのミステリアスな展開がモチーフとなった映画『殺人の追憶』が生まれている。
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■犠牲者は計14名
最後の事件の時効が2006年4月に成立した後も捜査を続けてきた同警視庁は、最新技術によるDNA検査を経て昨年9月、ひとりの男を事件の犯人として特定した。
1994年に妻の妹を強姦・殺害して無期懲役の判決により、釜山の刑務所に収監されているイ・チョンジェ(Lee Chun-jae)という受刑者だった。
一連の事件について再審がスタートし、このほど京畿道の水原市にある裁判所に出廷した現在57歳のイ被告は、10件の連続強姦殺人事件以外にも同様の事件を4件起こしたと自白し、法廷をざわつかせた。