気象庁「生物季節観測」の大幅縮小、原因は予算? 今後に期待されるのは…
カズレーザー著のクイズ問題集にも掲載されている「生物季節観測」。来年1月からは大幅に変更される予定も。
■期待される“シチズンサイエンス”
近年はシチズンサイエンスという考え方があります。気象庁気象研究所の荒木健太郎研究官は、関東地方で雪が降った際に雪の結晶を写真で撮ってSNSに投稿するように市民に呼びかけ、データを収集しました。
この「#関東雪結晶プロジェクト」がまさにシチズンサイエンス、「市民科学」です。
SNS上には「セミが鳴いてた!夏だね~」「近所でフジの花が咲き始めました♪」のような、季節の訪れを感じさせる投稿が溢れています。そのような投稿の数や地域を分析できれば、似たデータが抽出できるかもしれません。
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■自治体や民間による予測も
もちろんデジタルではなく、人の目で継続していくという選択もあり得ます。気象庁はじきに観測方法の指針を公開するとしていますので、観測が廃止される項目についても、継続ができます。観測を続ける「方法」は、考えればいくらでもあると思います。
重要なのは、観測を続けて観測結果をどのように活用するのかという「目的」を考えることです。例えば藤やつつじなどの花が観光資源になっている場合など、地方公共団体や民間で観測を続けて見頃時期を予測するなどの活用が期待されます。
気象予報士の私としては、今後のお天気コーナーのネタにするために、私独自の生物季節観測を始めざるを得ないかも…。
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(取材・文/気象予報士・千種ゆり子)