万引きGメンによる誤認確保 法的な問題点について弁護士が解説

万引きGメンがもし、普通の買い物客を誤認逮捕してしまったら…? 万引きGメンによる誤認により、被害者が心的外傷後ストレス障害を発症してしまった事案も

2020/11/14 14:00



■誤認確保した場合の法的問題は

ーーでは、「事実誤認だったにも関わらず、客の腕を強く引っ張ったり何らか危害を加えてしまった場合」に、何か法的に問題はあるのでしょうか。

齋藤弁護士:暴行罪、逮捕監禁罪がありえますが、正当な行為として違法性阻却、犯罪ではあるけど処罰にまではならない、とされる可能性はあります。


とはいえ、報道されている事案のような「誤認確保」であった場合、女性の身体を引っ張るなどの有形力行使は、犯罪として処罰されてしまう可能性もあります。


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■問題が発生した場合、責任は?

ーー一連の事件の責任は万引きGメン個人が負うものなのでしょうか。それとも万引きGメンを依頼した側にも責任はあるのでしょうか?

齋藤弁護士:じつは、店内で行われていることは明白ですから、個人が不法行為責任、慰謝料などの損害賠償義務を負う場合には、使用者責任といって店側も責任を負うことになります。


これは、代位責任と言って、加害者本人が支払い能力などがない場合にでもしっかり被害者を救済するためのものなので、お店が一旦肩代わりしますという性質のものですから、お店は加害者にのちに求償と言って、支払った分の請求ができます。


報道されている誤認確保のような事案では、故意的な暴力であると言えるかの判断が争点になりましょうが、結果的に誤認であったのであるならば、慰謝料支払いが命じられる可能性があると思います。

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(企画・文/しらべぇ編集部・齋藤 健博

法律コラム万引きPTSD
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