「コロナの影響で手術が止まった」と悲痛な叫び その実態を医療現場に直撃

各地の医療機関が逼迫する要因とは何か。現場スタッフに解決策を聞いた…

2020/12/01 11:30


 

■地域による最低賃金の格差が給与に悪影響

また、労働環境が過酷にも関わらず、それに見合った給与が支払われていないために辞めていく看護師も多いという。さらに免許を持っていても、夜勤や残業の多さ、また休みが取りにくいなどの理由によって、子育てと両立できずに、現場復帰をあきらめるケースもあるそうだ。

日本医労連の2019年度賃金労働条件等実態調査では、全国最高の看護師の初任給は約25万8千円。その一方で最低は約16万円と同じライセンスを持っていながら、働く地域が違うだけで約10万円の格差が生じている。地域による最低賃金の差が、看護師の給与にもそのまま影響しているという。


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■使命感だけではもう限界

SNS上には、いのちをまもるとともに「看護師という使命感だけではもう無理」「過酷な環境にも関わらず、給与カットや賞与ゼロでは、もうやってられない」との声を看護師たちがあげている。

日本医労連では、看護師不足解消のためにはスタッフの待遇改善が不可欠であり、格差をなくすためにも最低賃金の全国一律化などを国に求めている。


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■医療従事者に定期的なPCR検査を

医療崩壊を防ぐためには、「国が費用を負担し医療スタッフの定期的なPCR検査が必要」と北海道医労連担当者。

北海道の医療現場では、症状が出ている人または濃厚接触者のみの検査体制のため、医療従事者が感染していることに気づかずに、院内クラスターにつながっている可能性があるという。

また、「ほとんどの医療機関が減収のため、破綻する医療機関が出ないようにその補填を国で行ってほしい」と強く訴えている。

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(取材・文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部

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