週末には新たな警報の可能性も 日本海側を襲う大雪を気象予報士が解説
関越自動車道では多くの自動車が雪で立ち往生。この週末には警報地域が拡がる恐れも。
気象予報士の千種ゆり子です。今季一番の強烈寒波の影響で、東日本の山沿いを中心に大雪となっています。関越道の立ち往生など大きな影響をもたらしましたが、“人命”にも被害が及ぶ事態となっています。
特にこの土日に注意してほしいことをまとめました。
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■10年前、スキー場で死を覚悟
10年ほど前、前に勤めていた会社の先輩とスキー旅行に行った時のことです。私のスキー経験回数は片手で数えられるほどでしたが、運動神経に自信があったため、先輩方に連れられるまま中級者コースに行きました。
しかしリフトで上に着いてみると、その斜面の角度に絶句。リフトで下って帰りたいと言い出すこともできない。そもそもリフトってそのまま下って帰れるの? まごまごしているうちに先輩たちは滑り出し、私は一人ぽつんと取り残されてしまいました。
もう滑るしかない。恐怖と戦いながら滑り始め、数分が経った頃でした。何かに足をとられ、フカフカの新雪に1m弱は埋まってしまったのです。叫んでも自分の声が外に出ていかない。雪の中に響いてる。スキー板も足から外れて動けない。
嗚呼、このまま誰にも見つからず死ぬんだな…と、32年の人生の中で死を覚悟しました。
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■雪崩死者より多い窒息死
私はその後、心優しい男性(先輩でない)に無事救出され、気象予報士として今このコラムを書くことができています。
しかし残念ながら今月16日、新雪に埋もれて亡くなってしまったスノーボーダーがいました。付近には15日から大雪警報が出されていて、群馬県みなかみ町藤原と新潟県湯沢町では24時間に1m以上の雪が降るという、記録的な大雪となっていました。
日本雪崩ネットワークによると、2002シーズンから2017シーズンの過去16年間で18人がスキー場内において雪に埋もれて窒息死しており、その8割をスノーボーダーが占めています。
北米のデータによると、スキー場内で雪に埋もれて窒息死する方には上級者が多く、人数はスキー場内での雪崩死者の約6倍、同行者がいたものの事故発生の瞬間に気づかず死亡事故となったケースが7割だそうです。