新型コロナ治療の抗生物質乱用で… 最悪の「スーパー淋病」患者急増で失明リスクも
軽い風邪であっても、抗生物質を出したがる医療機関は多い。乱用を見直そうと呼びかけられるも、実現はなかなか難しいといわれてきた。その結果…。
多くの医療機関で、新型コロナウイルス感染者が訴える様々な症状に対し、次々と抗生物質が投与されてきた。しかしその結果、海外では非常にタチの悪い淋病が流行し始めているそうだ。恐ろしい話題を英国のメディア『The Sun』『Daily Star』などが、続々と報じている。
■強い咳、喉や胸の痛みに…
熱のほか強い咳、喉や胸の痛みを訴えることが多い新型コロナウイルスの感染者たち。医療機関がそうした患者の症状を抑えるため、ウイルス検査の結果が出る前に抗生物質を処方するのも、無理はないのかもしれない。
だが、薬剤耐性菌に詳しいWHO(世界保健機関)のハナン・バルキー博士は『The Sun』の取材に、世界の新型コロナウイルス患者の7割以上が抗生物質の投与を受けていることに、強い懸念を示している。
その投与が真に必要なのは、米国の調査では4%、英国の調査では1%にも満たなかったというのだ。
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■史上最悪のスーパー淋病
「呼吸器感染症を治療するため、かねてから一般的な抗生物質として使用されてきた、15員環マクロライド系のアジスロマイシン。その薬剤耐性を示すスーパー淋病が、流行り出したのです」と話すバルキー博士。
原因として考えられるのは、新型コロナウイルスの治療にあたる医療現場で、当初かなりその薬が投与されていたこと。個々に対しては「薬が効かない可能性があることを念頭に、性感染症を予防するための努力をこれまで以上に意識してほしい」としている。