弁当を食べ239人がノロウイルス感染 最も流行するこの季節の注意点とは
山形県の業者が提供した弁当でノロウイルス集団感染。感染予防対策として具体的に注意すべき点とは…
厚生労働省によると、ノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒は一年を通して発生しているが、12月から翌年1月にかけてピークを迎えるという。2017年の患者数は8,496人で、食中毒の原因物質としても第1位。そんな中、山形県で集団感染が発生した。
■弁当を食べた239人が発症
山形県食品安全衛生課によると、20日昼に(株)協栄給食の弁当を食べた239人がおう吐、下痢、腹痛、発熱等の食中毒症状を訴えたという。そのうち105名が病院を受診したが、今のところ重症者はいない。
患者の年齢は1歳から90代までと幅広く、住んでいる場所も山形市・寒河江市・村山市・天童市・仙台市など広範囲に渡っている。また協栄給食の調理従事者からもノロウイルスが検出されたため、当該施設を原因とする食中毒と県が断定し、26日から3日間の営業停止処分とした。
関連記事:厚生労働省、被災時の食中毒に注意喚起 時には「捨てる」対応も…
■治療も対処療法に限定される
ノロウイルスは手指や食品などを介して経口で感染し、ヒトの腸管で増殖することでおう吐、下痢、腹痛などを引き起こす。健康なおとなは、軽症で回復する場合が多いが、子供や高齢者は重症化したり、吐いたものを誤って気道に詰まらせて死亡することがある。
またノロウイルスに対してのワクチンがなく、感染してからの治療も輸液などの対処療法に限られてしまうため、予防対策を徹底する必要がある。食品からウイルスを検出することが難しいのも特徴で、発生事例の約7割が原因となった食品を特定できていない。
関連記事:やかんに入れたスポーツドリンクで食中毒発生 厚労省も「水筒などに入れると危険」
■二度洗いと十分な加熱の徹底
県や厚労省は、ノロウイルス食中毒防止のポイントとして①調理前、トイレ後の手洗い(二度洗い)②まな板、包丁、ふきんなどの洗浄、消毒(熱湯や塩素系消毒剤の使用)をあげている。
また、食品を中心部まで十分加熱すること(中心温度85℃以上、90秒以上加熱)、おう吐、下痢などの症状があるときは調理に従事しないように呼びかけている。
・合わせて読みたい→ホタルイカを生で食べることは危険? 食中毒を発症させる「旋尾線虫」の正体を直撃
(取材・文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)