コロナ禍においてテレビドラマが充実する理由 『日曜劇場』も話題のTBSの演出力
コロナ禍においてテレビドラマが充実している。特にTBS系列ドラマが絶好調であり、その演出力、さらには時代背景を考察。
■『私の家政夫ナギサさん』
中でも印象的だったのは多部未華子主演の『私の家政夫ナギサさん』。母の愛を求めながらも仕事に夢中な主人公メイを多部が演じ、母のように、働く人を支えるべく家政夫となったナギサさんを大森南朋が演じる。
やはりTBSドラマの演出が見事だ。あいみょんの主題歌『裸の心』をBGMにし、最終回直前にメイがナギサさんを欠かせない存在だと気付くシーン。最終回、歩道橋の上で結ばれるシーン、いずれも印象的。コロナ禍において、互いを補い合う新しい恋愛の形で視聴者に癒しを与えた。
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■コロナ禍のテレビドラマ
総じてTBSドラマの演出力が卓越している。TBS火曜22時枠は、この視聴率低迷の時代に、主演女優は大ブレイクというくらいに大安定の放送枠。同時に、フジをはじめ、多くのドラマに力が入れられているだろう。
コロナ禍で長くなった「おうち時間」にドラマ視聴の需要を各局感じているのだろうか。続きが気になるドラマに対し、腰を据えて視聴できる環境がある。
そして『ナギサさん』に代表されるような、コロナ禍において求められる人との近い距離感での「癒し」が非常にマッチ。コロナ禍におけるしばらくの物語需要に対し、テレビドラマが応えていってくれるだろう。
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(文/メディア評論家・宮室 信洋)