謎多き深海生物・リュウグウノツカイ 3時間生きたまま展示した水族館に直撃

珍しい深海生物「リュウグウノツカイ」を生きたまま展示できた訳とは。今後についても聞いてみた。

2021/02/08 14:15

リュウグウノツカイ
(画像提供:hiroki.imazさん)

先月、しらべぇ編集部は、生きたまま海岸に流れ着いたダイオウイカを取材した。今度は謎に包まれた深海生物「リュウグウノツカイ」が兵庫県の海域で定置網に掛かった。取材班は、引き取った水族館から詳しく話を聞いた。



 

■和名「竜宮の遣い」

リュウグウノツカイはアカマンボウ目に属する深海魚の一種で、太平洋・インド洋・大西洋など、世界中の海洋に幅広く分布する。海底から離れた中層を漂い、群れを作らずに単独で生活するのが特徴だ。

本来の生息域は陸から離れた外洋の深海であり、人前に姿を現すことはほとんどない。そのため、実際に生きて泳いでいる姿を撮影した映像記録は非常に乏しく、生態についてはほとんどわかっていない。

全身が銀白色で、たてがみのような真っ赤な背びれをしており、和名である「竜宮の遣い」にふさわしい外見。体長は3メートルほどであることが多いが、最大では11メートル、体重272キロに達した個体も報告されており、硬骨魚類の中では世界最長だ。


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■定置網にかかった

7日午前に、兵庫県の竹野海岸沖で定置網漁をしていた漁師から「たまたま変わった生き物が引っかかった」という連絡が、城崎マリンワールドに入った。

マリンワールドがこのリュウグウノツカイを引き取り、約3時間館内で展示。深海に近づけるため水温を低く設定し、なるべく大きな水槽に入れたが、その後死亡が確認された。


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■今後は標本として

深海生物は、一度海上にあがってしまうと二度と深海には戻れない。その後は、海流の流れに身をまかせて漂い、衰弱死してしまう。マリンパークが引き取ったリュウグウノツカイは、今後標本として貴重な研究材料として使われるそうだ。

広報担当は「こういった貴重な動画を目にすることで、深海生物に興味を持ってもらえれば」と話す。また、「再度捕獲された際には、今回の経験を生かして、もう少し長く生存させられるようにチャレンジしたい」と述べた。

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(取材・文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部

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