新型コロナワクチン“副反応”などの実態とは 接種した米国在住日本人医師に聞いた
感染者・死者ともに世界最多となっているアメリカ。オハイオ州の大学病院で勤務する医師が実際接種した新型コロナワクチンについて語った。
■アナフィラキシーは極めて少ない
「副反応は人によって結構違います」と話す樋口医師。同じような経験をした人が周りに何人もいる一方で、何ともなかった人もいるという。ただ、その期間も限定的で、「副反応の時期が終わればみな何ともありません。普通の生活に戻っています」とのことだ。
樋口医師:日本感染症学会がまとめた治験のデータも参照してください。ファイザーとモデルナについては二回目に強く副反応が出ているのが分かると思います。
心配されるアナフィラキシーですが、最近のJAMA(米国医師会雑誌)の報告によると、ファイザー・ビオンテックワクチンで100万件に4.7件、モデルナワクチンでは、100万件に2.5件となっており、極めて少ないです。(Reports of Anaphylaxis After Receipt of mRNA COVID-19 Vaccines in the US—December 14, 2020-January 18, 2021 JAMA 2021)
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■反ワクチン派は限定的
新型コロナの感染者・死者数とも世界最多となっている米国。日本のメディアでは往々にして見られるワクチンへの懐疑的な声は、米国にもあるのか、聞いてみた。
樋口医師:アメリカにおいては、2021年2月14日の時点で48万人以上が亡くなっていますので、national crisisなのです。ワクチンは強制ではありませんが、多くの国民の意識は接種に向いています。ごく一部に反ワクチン派がいるという話も聞きますが、あまり表立ってはいないようです。
私の周りは医療者ですのでワクチンはほぼ強制です。自分たちに受けないという選択肢はほぼありません。メディアで報道されている内容も「ワクチンを受ける受けない」ではなく、「いつどのように受けられるか」だけです。
打つ順番として、医療者・高齢者・老人保健施設の入居者が先行接種になり、その後順次年齢を基準に接種の範囲を広げています。まだまだ現場では混乱が見られているようで、地域によっても接種が早かったり遅かったりがあるようです。
「自分たちに早く打ってほしい」という声が沢山上がっていて競争のようになっていますね。それだけ切実だということです。