新型コロナワクチン“副反応”などの実態とは 接種した米国在住日本人医師に聞いた
感染者・死者ともに世界最多となっているアメリカ。オハイオ州の大学病院で勤務する医師が実際接種した新型コロナワクチンについて語った。
■米国の接種システムは完全デジタル化
日本では、河野太郎大臣のもとでワクチン接種のシステム構築が進んでいるが、先行する米国の仕組みで参考になる点はあるのだろうか。
樋口医師:自分の接種スケジュールは完全デジタル化されていました。ログインして空いている日を探して二回の接種スケジュールを予約するだけ。
アメリカは広大な土地を持つこともあって、もともとオンライン医療が発達している国なのですが、これを機に日本も何かしらのオンライン化を進めないといけないと思います。
日本人ほぼ全体に、決まったタイミングでワクチン接種を二回するとなると、役所の人の頑張りだけでは絶対に無理です。日本の一番いけないところは、個人の頑張りと犠牲に期待して全てを進めようとするところ。何らかの接種システムをある程度お金をかけて作らないといけないと思っています。
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■米国では看護師の役割が大きい
また米国の接種現場では、看護師が大きな役割を果たしているようだ。
樋口医師:接種場での実際ですが、クリーブランドクリニックでは、MyChartというオンライン診療アプリから予約を取って、事前にオンラインで問診を取ってそれをもとに看護師が極めて簡便な問診をして接種します。
そのあと15分だけアナフィラキシーショックの有無の確認にタイマーを持たされて写真のように看護師の見守りのもと待機します。医師は後ろでアナフィラキシーの対応に控えているだけです。
友人の話を聞くと、「日本では全て医師が問診と接種をしていく」とのことですが、それでは医師の疲弊が大きく、看護師がもっと多くを担当するべきと思います。アナフィラキシーは前述の通り極めて稀です。万一の場合に備えればいいだけです。