新型コロナワクチン“副反応”などの実態とは 接種した米国在住日本人医師に聞いた
感染者・死者ともに世界最多となっているアメリカ。オハイオ州の大学病院で勤務する医師が実際接種した新型コロナワクチンについて語った。
■ワクチン以外に打開策なし
日本での感染が欧米と同じようには拡がらないことで「ファクターX」といった言葉も流行した。また、「コロナ対策か経済か」といった意見の対立もしばしば見られる状況に、樋口医師は警鐘を鳴らす。
樋口医師:このコロナ禍を機にSNSを見る機会が増えて、「欧米と比較して日本は安全だ」「欧米と同じようにする必要はない」「経済を回せ」という論調を以前多く見ました。
「マスクをして普通に生活すれば秋までには収まるだろう」「第二波は絶対に来ない」「こんな茶番はよせ」といった主張がとても多かったのです。
しかしそんなことは全くなかったですし、現状日本で患者が増減を繰り返し、現在増え続け医療機関が逼迫し緊急事態宣言を余儀なくされているのは周知の事実です。
残念ながら日本においても現状ワクチン以外に有効な打開策は無いと思います。それはこの一年の患者が増えたり減ったりのコロナ禍で痛いほどお分かりいただけたかと思っています。
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■ほぼ全員に接種が必要
最後に樋口医師は、日本国内での幅広い接種に期待を寄せた。
樋口医師:今まで知らないワクチンということで、皆さん当然不安はあろうかと思います。超長期的な有効性・安全性、また妊婦への安全性などについてはこれからになってきますが、ワクチン自体は長期に積み重ねた技術を基に作られたものです。短期的効果・副作用についてはアメリカFDAでの承認プロセスにおいて極めて透明性のある審査を経ました。
ワクチンは子供を除く日本人ほぼ全員に必要です(16歳未満の子供への安全性や必要性についてはまだデータがありませんので、議論はこれからになります)。理由としては、無症状・軽症の若年層が感染を広げ弱い高齢者層の重症化を招くからです。
ほぼ全員に接種をして集団免疫をつける以外に鎮静化の方法は無いと思われます。日本の接種スケジュールもまずは医療者に先行接種、その後高齢者となっていますが、スケジュール通り16歳以上の人に順次広範に接種していただけたらと思っています。
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(取材・文/しらべぇ編集部・タカハシマコト)