テレワークで腰への負担も 国内2800万人が悩む腰痛の最新治療法を慶応病院医師に聞いた
椎間板ヘルニアに対する最新治療法に注目。最近増えているテレワーク腰痛の対策とは。
腰痛に悩む人々は全国で推定2,800万人いるといわれており、40代から60代では約4割にのぼる。そんな中、腰椎治療のエキスパートである慶應義塾大学医学部整形外科講師岡田英次朗医師によるメディア向けセミナーが開催された。
■椎間板ヘルニアの症状
腰痛と一言でいってもさまざまなケースがあるが、今回のテーマは「椎間板ヘルニア」。腰の椎間板から髄核(ずいかく)が飛び出し、近くを通る神経を圧迫し、その結果、痛みやしびれがでる病気だ。
日本には患者が100万人以上いるといわれており、国内では毎年3万件以上の手術が行われている。椎間板ヘルニアは20~40歳代の比較的若い世代がかかりやすく、男性は女性に比較し2~3倍多い傾向にある。
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■椎間板ヘルニアになりやすいタイプ
椎間板ヘルニアになりやすいタイプとしては、激しいスポーツをする人や同じ姿勢で仕事をしている人、肥満の人、喫煙者などがあげられる。特に「前かがみの姿勢」や「前かがみになって荷物を持ち上げる動き」は、腰椎へのストレスが大きくかかるといわれている。
その主な症状は、足の痛みやしびれ、腰痛だ。多くの場合、片側の足に症状が見られる。太ももの後ろからふくらはぎ、すねの外側などに痛みが走り、痛みの強さには個人差がある。
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■まずは保存療法を選択
治療は大きく「保存療法」と「手術療法」にわけられる。ヘルニアは自然に縮小したり、症状がおさまるケースもあるため、まずは安静や痛み止めなどの薬を使用する保存療法を選択する。ヘルニアの形態によっては約80%が自然消失するともいわれている。
運動麻痺がある等の緊急手術必要性がある場合をのぞき、患者の症状や意向を確認しながら手術の可否を決定。