天皇陛下61歳の誕生日会見を全文書き起こし　「明るい将来が開けることを心待ちに」

「昨年8月には新型コロナウイルス感染症大流行下の水防災に関する国際オンライン会議にお誘い頂いて、オンラインで聴講し、会議後に参加者の方々ともオンラインでお話ししてみたところ、臨場感があり、人と人との繋がりを肌で感じることができました。

そこでその後、さらに検討を重ね、昨年秋以降、オンラインで日本赤十字社の医療現場、障害者や高齢者の仕事や活動の場、そして今年に入ってからは昨年7月の豪雨災害の被災市町村を訪問し、それぞれ関係者の皆さんとお話することができました。

このオンライン訪問には、感染症対策としての利点以外にも同時に複数の場所にいる人に会うことや、中山間地域など通常では訪問が難しい場所でも訪問できる利点があることを実感いたしました。

この一年は公務に様々な制約が生じ、例えば新年の一般参賀を行うことも難しい状態でしたが、代わりにビデオメッセージで国民の皆さんに私たちの気持ちをお話することができたことも含め、オンラインによる活動に新たな可能性を見いだせたことは大きな発見といえます。

地方を訪問する際の駅頭や沿道も含めて、現地で多くの方々と同じ体験を共有し、その土地その土地の雰囲気を肌で感じるなど、実際の訪問でなければなし得ない部分はあるものの、感染が収束しない現状ではオンラインは有効な手段と考えられます。

オンラインにはオンラインなりの課題もあるでしょうが、引き続き状況に応じて活用していきたいと思います」