男女差別発言問題 過去には「ばばあ」発言で慰謝料を支払った事例も

社会的に関心が高まっている、男女差別発言問題。どんなものが法律的にアウトになるのか、弁護士が解説

2021/02/28 14:00


女性
(monzenmachi/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

昨今、男女差別発言が話題になっていますが、法律問題にまでは発展していません。過去には職場やプロジェクトにおいての男女差別発言から、法律問題にまで発展したような事例はあるのでしょうか。



■「ばばあ」発言で慰謝料

弁護士・齋藤健博先生

この問題について、齋藤健博弁護士によると…

齋藤弁護士:男女差別発言だけを切り出して、法律問題にまで発展するケースはそう多くありません。しかし、たとえば差別的な意味も込めて、男性が女性に対して「ばばあ」などと発言したケース(東京地方裁判所平成24年11月30日裁判例)、では男性から女性に慰謝料5万円を支払われた事例もあります。


関連記事:嵐のチケット転売で有罪判決… 知っておきたい「譲渡」と「転売」の線引

■法律問題になる・ならないの線引きは

――この場合、法律問題に「なる」「ならない」の線引きはどこにあるのでしょうか。

齋藤弁護士:裁判の現場では、個別的な被害者の救済に主眼が置かれます。そうすると、不特定多数に向けられた女性蔑視の発言は、どうしても問題提起が難しくなります。


そのため、特定の発言が、誰に対して向けられたか明らかにすることができれば、セクハラパワハラとして法的な問題に発展することは十分ありえます。


・合わせて読みたい→高学歴でエリートだと思っていた彼 結婚後にまさかの事実が発覚する

(企画・文/弁護士・齋藤 健博

パワハラ法律コラムセクハラ男女差別齋藤健博
シェア ツイート 送る アプリで読む

編集部おすすめ


人気記事ランキング