「次亜塩素酸水加湿器」使用に東京都が注意喚起 実験結果について聞いた

東京都が次亜塩素酸水を使用した加湿器に対して注意喚起。その中身とは…

2021/03/03 19:30

加湿器
(yocamon/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

新型コロナウイルス予防を語る商品に対して、消費者庁が改善要請した件を先日取材した。今度は安全をアピールする「次亜塩素酸水加湿器」に対して、東京都が注意喚起を行っている。



 

■使用するのが不安になった

東京都消費生活行政センターには、「お年寄りや赤ちゃんにも安全とうたわれていたので、空間噴霧用の加湿器のレンタルがセットになっている次亜塩素酸水の定期購入を契約した」という相談が寄せられた。

「後から、次亜塩素酸水は人がいる場所で噴霧しないようにと、公的機関の注意喚起が公表されたので、使用することが不安になった」といった声も。



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■薬機法で承認されたものはない

次亜塩素酸水は、次亜塩素酸を主成分とする酸性から弱酸性の溶液で、酸化作用により除菌やウイルスを不活性化する効果があることが知られている。また、加湿器に次亜塩素酸水を入れて空間噴霧する使用方法を案内する製品が多く販売されている現状だ。

しかし、現時点では薬機法にもとづいて品質、有効性、安全性が確認され、「空間噴霧用の消毒剤」として承認が得られた次亜塩素酸水はない。

また、「次亜塩素酸水のミストが人の目に入ったり、皮膚に付着したり、吸入されたりするおそれのある状況での空間噴霧はオススメできない」と厚生労働省が呼びかけている。


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■金属をさびやすくする作用

さらに次亜塩素酸水は液性によって、金属をさびやすくする作用があるといわれている。東京都は、底に薄めた次亜塩素酸水(約50ppm)を入れた密閉容器の中に、液体が直接触れないようにUSBケーブルを置く実験を実施。

すると、2日後金属部分にさびが生じたという。次亜塩素酸水の代わりに水道水を使った同様の実験では、5日後でもさびは生じなかった。担当者は「家電製品のさびはわずかであっても、接触不良などの不具合につながるため注意が必要」と話す。

「何か疑問や不安を感じたら、局番なしの188(いやや!)に早めに相談してください」とのことだ。

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(取材・文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部

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