新型コロナで守られるべき喘息患者 優先接種を断られる海外事例も

軽度の喘息患者のなかには、新型コロナ感染で「最悪なインフルエンザと喘息の発作が一気に襲ってきた感じで、意識が飛んだ。集中治療室で過ごした記憶も半分しかない」と話す人も。

2021/03/10 10:30

ワクチン・予防接種
(show999/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

厚生労働省が5日、新型コロナウイルスワクチンの先行接種を受けた30代の医療従事者の女性が、アナフィラキシーショックを起こし、その場で適切な治療を受けたことを公表した。「持病だった喘息の関係は?」「接種して大丈夫なのか」と心配する声が多く上がっているが…。



 

■喘息患者とワクチン接種

慢性の呼吸器疾患のひとつである喘息。その患者は新型コロナウイルスへの感染を非常に恐れていると言われるが、「自分の喘息はワクチン接種が優先されるのか否か、よく理解できていない」という人が意外に多い。

自身、あるいは身内に喘息患者がいるという人にとって、このたびの30代女性のアナフィラキシーショック報道には大きな不安が募ったが、その発生確率の低さと新型コロナの予防効果の高さを考えれば、「やはり打ちたい」「打つよう薦めている」といった声が徐々に増えているとも言われている。


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■1年以内の入院経験の有無

そんな中、イギリスでは今月3日の時点で2千万人強が初回の接種を終え、96万人が2回目を完了。だが、喘息患者が優先接種を受けていない地域があると『BBC』『The Independent』などが報じている。

問診で「過去に重い喘息で3回入院を経験した。ここ1年は薬や吸入器でコントロールしている」と答えたエセックス州の40代女性が優先接種を断られ、全英・喘息患者の会にも同様の苦情や相談が無数飛び込んでいるというのだ。

政府は「ステロイド薬の経口投与を3ヶ月間以上受けた人」と示したにもかかわらず、2月中旬、国民保健サービスのNHSイングランドが各GP(かかりつけ医)宛てに「過去1年間に入院を経験した喘息患者を最優先で」との通達を出し、通院患者は優先しないとの誤解を招いた可能性があるという。

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■日本での解釈は?
厚生労働省イギリスワクチン喘息優先新型コロナウイルス基礎疾患呼吸器接種翻訳記事
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