夜に訪れた寺院、青く光る謎の物体が… 国境を越えた「粋な計らい」に思わず感動
埼玉県・川越にある寺院を夜訪れると、何やら青白く光る物体を発見。明かりが灯った背景が、最高に粋だった。
■明かりが点いたその日は…
同寺院の副住職を務める千田明寛氏に詳しい話を聞いたところ、こちらのライトアップが始まったのは4月2日からのこと。じつはこの日は自閉症の啓発を目的とした記念日である「世界自閉症啓発デー」に当たる。
「癒し」や「希望」などを表すブルーは自閉症のシンボルカラーとして認知されているため、この日は青いものを身につけたり、最明寺のように施設をライトアップする…といった形で自閉症の啓発が行われているのだ。
こちらはもちろん日本に限った話でなく、世界各国でこういった取り組みが推進されている。
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■「仏教」の枠を超えた最明寺の活動
最明寺は今回のライトアップのほか、日本の寺院ではとても珍しい同性結婚式(LGBTQ Wedding)が挙げられるなど、マイノリティの人々に寄り添った数々の取り組みで注目を集めている。
また仏教には無関係なはずのクリスマスシーズンには、困窮家庭の子供たちを支援する「おてらおやつクラブ」の活動として、クリスマスお菓子を募集し、支援者には最明寺オリジナルのブラックサンダーを贈呈…といった活動も実施。
仏教系寺院としては変わった活動が目立つが、こちらの背景について尋ねてみると、千田氏がかつてインドの寺院に留学したときの経験が礎となっているそう。
千田氏は「インドのお寺に留学していた頃は、もちろんクリスマスはありませんでした。お祝いをしたら白い目で見られる…といった感じでしたね」「外国人の方々から見たら奇異に映るかもしれませんが、日本の仏教には独自の緩さがあって、だからこそ日本でしかできないことがあると感じました」と、当時の様子を振り返っている。
「本来仏教とクリスマスは無縁であるが、子供たちにとってはお祝いをしたい特別な日」であることを尊重し、クリスマスお菓子を集め始めたという。取材当日はLGBTの象徴でもある「レインボーフラッグ」柄の袈裟を身に纏った千田氏は、日本の仏教ならではの柔軟性について、熱く語ってくれた。
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■現在はアートを多数展示中
またライトアップが始まったのと時を同じくし、同院では現在、自閉症の人々が作成したアートの展示もしている。
こちらは障害者の芸術創作を支援するNPO法人「あいアイ」という美術館とのコラボとなり、8日まで展覧が可能。
またブルーライトも8日まで継続する予定で、こちらの明かりが灯るのは18時から22時にかけてのことなので、期間内に是非こちらの幻想的な空間に足を運んでみてほしい。
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(取材・文/しらべぇ編集部・秋山 はじめ)