食品のアナフィラキシーショックで脳障害 救急隊員の勉強不足で高額賠償金が発生
判事はその法廷で、救急医療に携わる隊員たちの勉強不足や不手際を次々と断罪した。
何かをほんの一口食べただけで起きてしまう、最も恐ろしいアレルギー反応のアナフィラキシーショック。速やかにアドレナリン投与などの治療を受ける必要があるが、駆けつけた救急隊員の対応が不十分だったことから、アメリカのある女性は重度の身体障害を負ってしまった。
『NEW YORK POST』『Las Vegas Review-Journal』などが、その民事裁判の結果について伝えている。
■女性にはピーナッツアレルギー
2013年2月、当時27歳だったシャンテル・ジアカロンさんは、ネバダ州ラスベガスのマンダレイ・ベイ・コンベンションセンターで開催された見本市のイベントに、モデルとして参加した。
その際、アレルギーがありながら成分にピーナッツが含まれていることを知らず、友人が買ってきたプレッツェルを一口食べてしまった。するとアナフィラキシーショックを起こして倒れ、ただちに救急車が呼ばれる事態になった。
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■手当てが遅れ重度の障害
現場に駆けつけたのは、民間の救急搬送サービスとしてネバダ州南部地区保健局から認可を受けている、「メディックウエスト・アンビュランス」社の救急車と隊員だった。
彼らの手当がもたつき、シャンテルさんは後遺症として重度の脳障害を発症。日常生活のすべてにおいて、今なお全面的な介助が必要だ。
両親は「あのとき速やかに適切な手当てがなされていたら、娘は健康を取り戻し、歩み出したばかりの女優の道で、今も頑張っていたはずだ」と主張。メディックウエスト・アンビュランスを相手に、損害賠償を求める民事訴訟を起こしていた。