居酒屋で発見した一升瓶、ラベル説明に驚愕 じつは素晴らしい誕生秘話が…
酒類を提供する飲食店が危機的状況に立たされている現在。とある日本酒の「商品説明」に注目が集まっているのをご存知だろうか。
■恩師への思いにただただ感動
説明文を最後まで熟読した人ならばピンと来るかと思うが、こちらの文章は「先生、今は日本酒造ってます」「まだ、天国にはいけませんが、いつか一緒に飲んでやって下さい」という文章で締められている。また杉原酒造の5代目蔵元・杉原慶樹さんの名前も添えられており、どうやらこちらの文章は杉原さんの恩師に充てられたもののよう。
そこで説明文に登場する人物との関係性について尋ねてみると「上野教授は私の担当教授でした。卒業論文を提出しています。立川は同期、中西さんは大学院の先輩です」という回答が。
また、文末の表現にあるように「上野教授は若くして既に亡くなられています」とのことだ。杉原さんの恩師「上野教授」こと上野信平さんは、東海大学海洋学部にて、学部長をも務めた人物で、やはり射美の文章は恩師に捧げられたものであることが判明。
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■味も説明も小粋な逸品
続いて射美の特徴について聞くと、「酒造好適米『揖斐の誉』(いびのほまれ)を使用しています」という答えが返ってきた。
こちらの酒米は杉原酒造独自のブランド米で、「民間主体で酒造好適米を造っているのは弊社が初ではないかと思います」とも補足している。同社の日本酒の特徴としては飲みやすい甘口タイプが多いとのことなので、日本酒にいまいち苦手意識がある人も、安心してトライしてみてほしい。
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■酒飲みならではの着眼点
なお話題のラベルを発見した経緯について、ツイート投稿主・伊藤さんに話を聞いたところ「僕自身、日本酒がとても好きで、外で飲んだお酒のラベルは必ずといって良いほど写真に収めていて、買ってきて家で飲んだお酒のラベルは剥がしてスケッチブックにまとめてます」とのことで、大の日本酒好きであることが伺える。
日本酒の裏ラベルには味わいがイメージしやすいよう、日本酒のスペックが羅列されていることが多いのだが、「射美や山本と言った銘柄は裏ラベルにポエムのような文章が書かれていたり、酒蔵ごとの特色があって面白いんですよ」と伊藤さんは、その魅力を力説。
「表ラベルが日本酒の顔とすれば、裏ラベルは日本酒の内面をアピールする部分になってるのかなぁと思ってます」と、粋な所感を語ってくれた。
なお射美の裏ラベルが恩師への追悼文をコミカルに書いているということを受け、「安易に茶化してしまったのが広まってしまい、ちょっと申し訳ないなぁ…と思っています」と表情をやや曇らせる一幕も。
しかし同ツイートが広く拡散されたお陰で、改めて射美の魅力に気づけた人や、初めて同銘柄を知ったという人もかなり多いことだろう。
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(取材・文/しらべぇ編集部・秋山 はじめ)