ラーメン屋が掲げた張り紙、あまりに悲痛すぎる だが「休業命令」に疑問の声も
東京都・杉並区にあるラーメン屋の張り紙が話題に。多くの人々から同情の声が上がったが、疑問を唱える人々も少なくない。
■「コロナは人をおかしくしてしまう」
まず多くの人々が気になったのが、同店の説明する「休業命令」という表記。東京都が飲食店に発しているのはあくまで「時短営業」「休業要請」「酒類提供の禁止」であり、全ての飲食店へ向けた「休業命令」は発令されていない。
都は17日に文書で個別要請した後も酒類の提供を続ける飲食33店に「改正特別措置法45条」に基づく休業を命令したことが明らかになっているが、同店はこちらの対象店舗だったのだろうか…。
杉並区では特例として飲食店に対する「休業命令」が発せられたというケースも考えられるため、飲食店関係者や、周辺の飲食店数軒に話を聞いてみたが、いずれもやはり「都から受けたのは命令でなく、休業要請である」とのことであった。
杉並区在住で同店の主張に疑問を感じているという男性は、「このコロナ禍における経営は非常に難しく、人の精神状態をおかしくしてしまうのだなぁ、と思いました」「『休業命令』などの恐らく事実ではないような表記や、警告文のような見た目も相まって『普通の神経ではこんなことできないな…』と感じました」と語っている。
関連記事:都内居酒屋、休業要請に対し「いやなので」 店頭に貼られたトンチに称賛相次ぐ
■「コロナ関係ない」という指摘も
同店は昨年6月よりオープンとなり、順調にいけばもうじき開店一周年を迎えるワケだが、ツイッター上には「コロナ関係なく、オープンから一年で資金繰りに困るのは見通しが甘すぎるのでは…」「老舗でなく、オープン一年目の店がこれで同情を誘うのは、少し違うと思う」といった厳しい指摘の声が上がっている。
また張り紙には「3月からの国からの協力金ももらえず」と記されているが、前述の取材記事では「3、4月分の申請は行ないましたが、まだ下りていません」という発言も確認できるため、こちらは正確にいえば「協力金の遅延」という解釈となりそうだ。
関連記事:『ひるおび』特措法改正案に飲食店店主が本音 「生きていくためには…」
■張り紙の効果のほどは…
なお張り紙が公開された後の集客数の変化について、杉並区在住の男性に話を聞くと「22(土)の昼に店頭を見ましたが、12時半頃は15〜20人ほど、14時頃にはさらに増え、25〜30人ほどの行列が外にできていました」とのこと。
「店の前に列ができているのを見たのはオープン直後以来だったので、ニュースを見て気になって来る人は多いのだなぁと思いました」とも振り返っており、やはり同店の注目度は相当に高くなっているようだ。
・合わせて読みたい→『ひるおび』特措法改正案に飲食店店主が本音 「生きていくためには…」
(取材・文/しらべぇ編集部・秋山 はじめ)