妊娠中のアセトアミノフェン服用も子の自閉症・ADHDの一因に 7万人に大規模調査
「妊娠中や授乳中でもアセトアミノフェンは安全に使用できる」と日本でも謳われてきたが…。
■妊娠中の服用経験で差
IS Globalによるその調査の結果が、このほど査読付き医学誌『European Journal of Epidemiology』に掲載された。
自閉症スペクトラム、あるいは注意欠如・多動症(ADHD)と診断された子供について、6つの地域で14~56%と差が出たものの、妊娠中にアセトアミノフェンを服用していた母親が少なくないことが判明。
服用者の子供が自閉症スペクトラムを発症する率は、非服用者の子供より平均19%高く、ADHDでは 21%高くなることもわかったという。
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■「注意喚起が必要」
米国食品医薬品局(FDA)は、かねてから「どの種類の解熱鎮痛薬も妊娠中は避けるべき」とし、乱用に警鐘を鳴らしてきた。
妊娠中や授乳中でもアセトアミノフェンは安全だと謳われている国はじつに多く、この論文の責任者であるIS Globalのシルヴィア・アレマニー氏は、「本当に必要な時のみ最小限にとどめるよう注意喚起を行うなど、見直しの必要があります」としている。
また、これまで小児期の服用と自閉症スペクトラムの間には関連性がないとされてきたが、こちらについても詳しい調査が必要だという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)