走行中の列車の窓から顔を出し死亡 責任の所在でもめた裁判がようやく決着

女性は「走行中の列車から窓から手や顔を出さない」という車内の警告文を、無視してしまった。

2021/06/09 10:30

列車・車窓・窓・女性
(Taechit Taechamanodom/istock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

イギリス・ブリストルの近郊で2年半ほど前、若い女性が走行中の列車の窓から顔を出し、木の枝に衝突して死亡する事故が発生。遺族は鉄道会社に全面的に責任があるとして、高額の損害賠償を求め裁判を起こしていた。

だが、彼らの想像した通りに物事は進まなかったようだ。イギリスのメディア『Wales Online』『The Independent』などが、注目の裁判の話題を報じている。


 

■列車の時速は120km

事故は2018年12月1日、ロンドンから西に進んだブリストルとバースの間を走る、グレート・ウェスタン鉄道 (以下GWR)の列車で起きた。

列車が時速120kmで走っていたなか、ビーサン・ローパーさん(当時28歳)は窓から外に顔を出し、冷たい風に当たっていた。ビーサンさんはサウスウェールズに暮らしており、バースで友人と会い、クリスマスショッピングと食事を楽しんだ帰りだった。


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■枝が顔に突き刺ささる

ところがトゥワートンという地点を列車が走行中、木の枝に衝突してビーサンさんは死亡。枝が顔に突き刺ささるという悲惨な最期であり、両親はGWRを相手に高額の損害賠償を求める裁判を起こした。

28歳の娘の痛ましい事故、早すぎる死に納得がいかない父親は、線路脇の木の枝を短く切る保線のための下請け業者も含め、GWRの安全管理がずさんだと訴えたという。

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■遺族が有利にみえたが…
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