銭湯の昔懐かしい牛乳販売 創業80年の3代目が「意外にハードル高い」と語る理由
先月6月1日に食品衛生法が改正となり、営業許可から届出制へと変更になった。
第二寿湯は東大阪市で創業およそ80年を数える銭湯で、現在は3代目夫婦と母で伝統を守っている。そんな銭湯での牛乳販売が、SNS上で大きな話題を呼んでいる。
■客の半分以上は高齢者
「昔は周辺に5~6軒の銭湯があったが、すべて廃業してしまった」と店主。現在の客の半分以上は高齢者だ。家に風呂はあるが、「風呂掃除が大変だ」ということで、銭湯に通っているという。また、多くの銭湯では、ガスや重油を使っているが、第二寿湯では今もマキを燃やして風呂をたいている。
営業は午前11時からだが、夏は1時間前からマキを燃やし始め、冬は40分に一回程度釜を見に行く必要がある。午前0時の営業終了後、掃除をして帰宅し、床につけるのは午前3時頃だという。
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■毎日楽しみにしている客も
風呂上がりに飲む牛乳は、店主が子供の頃から販売を続けているそうで、毎日購入して飲んでいる客もいるそうだ。
銭湯で当たり前の様に飲めると思われてる瓶牛乳ですが、実は販売するには保健所の許可がいります。先月から届出だけに変更されましたが、新たに販売したい場合は「食品衛生責任者」の設置が必要になります。意外と販売のハードルが高い瓶牛乳。銭湯で見かけたらぜひ味わってみてください。 pic.twitter.com/8UUFY6IkaK
— 東大阪 第二寿湯 (@DKotobukiyu) July 4, 2021
一番人気は鳥取県の大山牛乳で、濃厚な味を楽しめるという。じつは「この牛乳販売が意外とハードルが高い」と投稿したところ、大きくバスった。
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■先月から届出制に変更
厚生労働省によると、牛乳を販売するには以前は営業許可が必要だった。その理由について担当者は、「食中毒が発生しないように、温度管理が必要なため」と話す。
先月6月1日からは食品衛生法が改正となり、届出制へと変更になった。食中毒発生件数の推移などを考慮した結果だという。以前に営業許可を得ていた販売者は、手続き不要。なお、新たに届出をするには、お店ごとに専任の食品衛生責任者の資格をもつ人を置かなければならない。
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(取材・文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)