よみうりランドに全然近くない「読売ランド前駅」 現地歩いて感激した理由

日本には「○○前」という名称の鉄道駅が多く存在している。「読売ランド前駅」もその一つだが、ここはお目当ての「よみうりランド」まで徒歩約30分はかかる不思議な駅である。

2021/07/24 05:15


 

■難解なルート

よみうりランド

改札を出ると眼前に商店街が広がる。駅員さんいわく、よみうりランドに通づる道はこちら側ではないという。歩道橋を使って駅向こうに渡ると、こちらは住宅地エリア。スマホナビによれば、この住宅地の中を進んでいくらしい。

よみうりランド

正直、遊園地に続く道とは一切思えない。なので途中、「本当にこの道でいいのだろうか」と何回自問自答したかは覚えていないが、分かれ道がある度、不安に陥っていたのは事実だった。

よみうりランド

記者を助けたのは、途中で発見した「多摩自然遊歩道案内図」というやや古ぼけた地図看板。地図によれば、遊歩道を通るとよみうりランドまで最短で行けるらしい。それにしても緑に覆われてしまった看板が多い…。

よみうりランド

カンカン照りで気温35度を越えたこの日、「緑に囲まれたルートなら涼しいのでは」と、このルートをチョイスすることは必然でもあった。

よみうりランド

しばらく歩くと。目の前に見知らぬおじいさんがいることに気がついた。おじいさんは、「若人よこっちじゃよ…」と言わんばかりに先導してくれているように見えた。


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■タイムスリップしたかのような光景

よみうりランド

遊歩道に入る直前には、謎の細い階段。しかもここでもご丁寧に右と左に分かれており、「なんだこの階段はぁ!」と、どっちが正規ルートか戸惑う記者。

よみうりランド

「せっかくだから、俺はこの道を選ぶぜ」と右側のルートを選択して進むと、目の前は完全に森の小道に。ここは地図にあった「多摩緑地保全地区」。ちゃんとしたルートだったのだ。それにしてもここ時代劇で出てきそうな光景だ。

よみうりランド

道は基本上り坂で、カーブあり、橋みたいのありとアドベンチャー感がすごい。周囲は高い木々や竹が生い茂っている。緑の屋根に覆われている感覚で、ひんやり涼しく感じた。

おじいさんを追い越す際「こんにちは」と話しかけると「ここは気持ちいい場所でしょう」と返してくれた。

よみうりランド

15分ほど進むと森が終わり、道路が見えてきた。車がビュンビュン走っている。久しぶりに令和の日本に戻ってきた感覚だ。

重いリュックを下ろし、ここでひと休憩。途中で追い抜かしたおじいさんに話しかけようと振り返ったが、すでに姿はなかった。

よみうりランド

おじいさん今までありがとうと、3分ほどの休憩を終え、上り坂の道路を10分ほど進むとようやく「よみうりランド」の入口が。ここまでの所要時間は合計28分。最後の道路で再び汗が吹き出していた。

よみうりランド

たしかに駅からは激遠かったが、森を歩くというなんとも清々しくネイチャーな気持ちになれたことは大きく記者は感激した。途中ですれ違った人は一切いないという隠しルート感も最高だった。

そんな何とも不思議で貴重な体験を振り返りつつ、記者は遊園地前から駅に戻るバスに乗ったのであった。

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(取材・文/しらべぇ編集部・キモカメコ 佐藤

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