絶滅危惧種・ライチョウのひな 親のお腹にすっぽり入る姿にほっこり

卵を温めてふ化させ、現在ひなを育てているのは、じつの母鳥ではない。ひなにとっての4つ違いの姉にあたるという。

2021/07/26 14:00

1980年代には、ライチョウの生息数は約3000羽と推定されていたが、2000年代には約2000羽に減少したと言われている。

国が定めるカテゴリーも絶滅危惧Ⅱ類から絶滅危惧ⅠB類に引き上げられ、保護の取り組みが進められている。そんなライチョウのひなが今月15日に誕生し、話題を呼んでいる。



 

■23年ぶり自然繁殖

ライチョウのひなが誕生したのが、長野県大町市立山岳博物館 付属園で、今年自然繁殖に成功。自然繁殖とは、親鳥に卵を温めさせてふ化させ、育てさせる取り組みで、自然繁殖によるふ化は23年ぶりだという。

担当者は「順調に成長しており、今は体重が約24~25グラムになっている」と話す。なお、卵を温めてふ化させ、現在ひなを育てているのは、じつの母鳥ではない。

上手に卵を温めるメスを見極めて、現在育てているメスに卵を託した。このメスはひなにとっての4つ違いの姉にあたるという。

【動画】ライチョウのひなが親鳥のお腹にすっぽり


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■寒い場所に住む

ライチョウはかつては北半球の寒い地域に広く分布していたため、日本が大陸と陸続きだった氷河期に北のほうからやってきた。氷河期に日本へやってきたため、地球が暖かくなると生きていくために寒い場所を求めた。

しだいに高い山の上へと生息場所を移し、日本アルプスの高山帯にたどり着いた。そのため、野生のライチョウは、標高2200メートル以上の高山帯に住んでいる。また、動物園では厳格な温度管理がされた室内におり、付属園では夏でも20℃以下に温度を設定しているそうだ。

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■1年に3回羽根の色が変化
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