「一升瓶のお酒が売れません」と蔵元が悲痛な叫び 米農家への影響も懸念
「多くの一升瓶は、酒屋さんから飲食店に流通している。そのルートが大きく打撃を受けている」と蔵元。
横手市は日本第3位、世界第8位の豪雪地帯「秋田県」の中でも特に雪深い地域。雑菌も繁殖しづらい過酷な生活環境下で、豊富な水脈から上質な軟水を井戸で汲み上げ、綺麗で優しい酒を目指して日々酒造りに精進しているのが「日の丸醸造」だ。そんな伝統ある蔵元の悲痛な叫びが、SNS上で話題を呼んでいる。
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■冷蔵庫に眠っている一升瓶
1689年創業の日の丸醸造はSNS上で、「コロナの感染拡大に伴い飲食店さんが休業あるいは閉店している影響で、一升瓶の商品が出荷されずに冷蔵庫で眠ってしまっている」と訴える。また、「政府が酒の提供禁止を主導するのを昨年冬に予測できていれば…できるかぁ!!」と乗りツッコミも。
飲食店でお酒が提供できない為、一升瓶のお酒が売れません!!
当社商品は殆ど一度火入れ原酒の為、四合瓶への詰替もできません!!
政府が酒の提供禁止を主導するのを昨年冬に予測できていれば……できるかぁ!!
というわけで、一升瓶セールを開催します!!https://t.co/tmsosIoWbe pic.twitter.com/EEfQzJ7bSR
— 秋田『まんさくの花』醸造元 日の丸醸造株式会社 (@mansakusake) August 4, 2021
同社佐藤専務は「多くの一升瓶は、酒屋さんから飲食店に流通している。そのルートが大きく打撃を受けている」と話す。また、「政府に対して想うところもあり、このようなメッセージを発信した」と述べた。
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■酒づくりへのこだわり
日の丸醸造の季節限定品は、酒が完成した直後に一升瓶と四合瓶にそれぞれ瓶詰めして貯蔵。瓶貯蔵は、空気に触れる面積の少なさから、最良の貯蔵方法と言われている。
また、酒本来の香りを残すための「一度火入れ」にこだわっており、瓶を詰め替えることができない。詰め替える際には、菌による汚染を防ぐために、再度火を入れる必要があるためだ。